コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【第12話更新!】依頼屋ストロギア【新章スタート!】 ( No.39 )
- 日時: 2013/11/23 07:31
- 名前: 空銃 ◆QJMxOkeYCQ (ID: ncyYlurw)
第13話
翌日の朝、俺は珍しく早起きをした。
時計を確認する。今は……、5時50分か。
大体7時くらいに起きるんだが、やっぱり慣れない環境からなのか。
顔を洗い、1階に降りていくと、朝食の準備をしている桜がいた。
「おはよう、早いのね」
桜とはメンバーの中でも話す回数が少ない方だ。
しかも、2つ年上だとは思えない大人っぽさ。
どう話していいか分からなかった。
「おはようございます、早いのは今日だけですよ」
何故か俺は敬語で話してしまった。
桜が優しい顔で語りかけてくる。
「敬語じゃなくていいのよ、私だけ敬語って、ちょっと嫌だな」
「あ、わ、分かった。これからは普通に話すよ」
「うん。そっちの方がいいわ。これから一緒にやっていく仲間だからね」
俺は初対面の人ともすぐ仲良くなれるタイプだ。いきなり敬語をやめるのも全然大丈夫だ。
一緒にやっていく仲間って、そういえば桜も依頼をこなしているんだった。
戦とかが向いてない感じだが、桜も能力はあるのだろうか。
「あ、そういえば、桜って能力は何なの?」
「ん? 私は無重力よ。どんな物や空間でも、無重力にする事が出来るわ」
「結構便利じゃん。じゃあ、凛は?」
こんな風に、俺はストロギアのメンバーの能力を詳しく聞いた。
皆本当に様々だ。俺も能力が欲しかった。
「今からでも、能力開花しないかなぁ……?」
「能力の開花と言えば、昔の文献で、非能力者に突然能力が目覚めた……ってのが書いてあったわよ」
「マジか。て事は俺でも能力が目覚めるかもしれないって事?」
「その可能性はあるけれど、昔の文献だし、蓮だって長い間この依頼屋をやってきてもまだ無能力よ。なったらラッキーって考えている方がいいわよ」
「それもそうだな」
そう話していると、次々と皆が起きてきた。
隣町へ行く支度を済ませ、俺達はいよいよ、クラウン・ナイトに会いに行く事になった。
「よし、そろそろ行こうか。みんな、行く準備は出来た?」
そう言って全員の確認を取ると、蓮は口笛を吹いた。
口笛の音につられ、無数の大きな鳥がやってくる。
「流石蓮だね! 私も、あのメロディ吹けるようになりたいな」
「今度教えてあげるよ。じゃ、乗って」
これに乗っていくのか。
確かに歩きで隣町に行くのは少し大変だが、鳥に乗るのは勿論初めてなので、戸惑った。
すると、皆は鳥に飛び乗り、俺、早く、といった顔でこちらを見る。
俺も、少し怖かったが、鳥の背に飛び乗った。
「よし、じゃあ出発だ」
また蓮が口笛を吹くと、かなり速いスピードで鳥は飛んだ。
俺達の乗った鳥も蓮の鳥について行く。
風が気持ち良い。
この世界の外はずっと見ていなかったが、とてもキレイだ。
上から見ると分かるが、まるで人に創られた様に、きっちりと整備されている。
まぁ、今は隣町に行かなければ。
俺達は、スピードを上げた。
結構早いもので、数分すると隣町へ到着した。
俺達はクラウン・ナイトの本拠地を探す事にした。
セア達に勝てるかもしれないという期待を込めて。