コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 依頼屋ストロギア ( No.4 )
日時: 2013/10/20 18:29
名前: 空銃 (ID: NHSXMCvT)

プロローグ

何も無い町の、なんでもない風景。
俺はそれを静かにながめていた。

って、どうして俺、マジで電車のったんだろう。


俺はどこまで来たのだろう。

なんてバカなんだろう。
施設の人には「ちょっと出かけてくる」だけで済ましてしまった。
自分を変えたいって理由だけで、見知らぬ土地まで一人で行くなんてむしろ尊敬するよ、自分に。

公衆電話で電話しようとも思った。
でも、施設の電話番号知らない。
他に電話する人もいない。

あーあ、マジでここどこだろう。
これで電車を乗り換えるのは何度目だろうか。
腹が減った。のどが渇いた。
もう俺どうしよう。

数々の事が頭を巡る。
すると、丁度終点に着いた。

着いた所は『鳳凰町』。
見た事も、聞いた事も無い。
だが、また乗り換えてもどうせ同じだろうと思い、駅を出る。


適当に歩き続ける。
腹の減りが限界に達しそうな時に、俺は二人の男女に声をかけられた。

「君、ちょっといいか」

「話したい事があるんやけど」

メガネをかけたイケメンと、関西弁の美少女だ。
何者だ、この二人は。
怪しい、怪しすぎる。

でも、今となってはこの二人に声をかけてもらわなきゃ俺はどうなってた事か。

「あ……、はい、何ですか?」

「アンタ、依頼屋やってみる気、あらへん?」

「依頼屋?」

「ああ、まぁ、その名のとおり、頼み事を解決する仕事だな」

依頼屋……。
スーパー怪しい。
だが、二人共真面目な顔をしている。
なんだか分からないが、面白そうだな。
あ、いい事考えた。

「よく分からないんで、依頼屋に行って、依頼屋で働いている人達全員を見て考えたいです」

「まぁ、それもいいな」

「あと……今、凄い腹が減ってて、何か食べさせていただきたいなーと思いまして、すいません」

「まぁ、それは桜が作ってくれはるわ」

「ありがとうございます! それで、その依頼屋はどこですか?」

「ああ、それなら大丈夫だ。 俺の肩に手を置いてくれ」

「え? はい、わかりました」

言われた通りにすると、目の前が真っ暗になった。

目を見開くと、大きな家に着いていた。

「ここが、依頼屋ストロギアだ」


ここが依頼屋……。
名前はストロギアっていうのか。

俺は、一つ聞いてみた。

「こんな所、さっきまで見当たらなかったですよね……?」

「まぁ、それは中で話すわ。ほら、こっちやで」


そう案内され俺は、依頼屋ストロギアの中に入った。