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第16話

セア達と戦うと聞いた皆は、どうにも寝付けなかった。
勿論、俺もだ。ついこの前ストロギアに加入したばかりで、戦いにも全く慣れていない。正直怖かった。

そして、朝が来た。
セアの話によると、12時丁度に転送能力がかかるそうだ。
さぁ、緊張してきた。いよいよ、始まるのか。

「……」

皆無言のまま、刻一刻と時間が過ぎる。
11時半に差し掛かりそうな時、蓮が口を開いた。

「皆、どうなるのかは俺にも全然分からない。でも、俺達がやらないといけないんだ、頑張ろう」

皆が静かに頷く。
そう、セア達の強さは俺には全く分からない。でも全力で挑まなければ。
全てがかかっているんだ。

そして、12時が来た。
体がふわっと浮いたような感覚がする。
これが転送能力なのか。

視界が真っ暗になる。
ストロギアに初めて着いた時のような感覚だ。
目が覚めると、大きな王国の前に立っていた。

セア達との戦いが、この扉の先にある。
そう思うと、怖さと楽しみを感じた。