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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。 ( No.1 )
- 日時: 2013/10/22 18:35
- 名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: Xr5Y0osE)
「お、お前のことが好きなんだよッ!だから、付き合えっ!!」
「うん。別に構わないよ」
「………………え?」
桜が散り始める5月の終わり。
葉蔵高校の中庭の桜の木下に二人の男女がいた。
赤髪の短いスカートと耳元でキラッと光るルビーのピアスの少女。
そしてその少女より幾分か小さい身長の黒髪で癖毛の少年。
「お、お前……なんで、そんな……は?」
少年____白沢 涼は驚いたような疑わしそうなそんな顔をして少女を見つめた。
「だって、嫌いな訳じゃないし。断る理由とかないしね」
少女____神谷 真月は薄く笑いながら涼を見た。ついでに頭に手を乗せながら。
「おまっ、触るなよっ!撫でんな!!」
「あれ〜?猫って撫でられるの好きなんじゃないの?」
「俺は猫じゃねーよ、阿呆!!」
自分の頭を触る真月の手を涼は振り払い、
赤くなった頬を隠すように真月に背を向けた。
その後姿を真月はクスクス笑い、
ふと涼の頭の上に落ちてきた桃色の花弁。
それを見て、真月はゆっくりと手をのばした。
「っ!……な、なんっ……」
「あ。」
頭の花弁をつまもうとした真月の手は、
振り返った涼の頬に当たってしまった。
花弁はというと、吹いてきた風に飛ばされてしまった。
「なっ、ななななにしてんだよ!」
「……」
突然触られた頬にまた熱が集まってきて、
涼は慌てて頬をおさえた。
真月はというと、その様子を見て少しだけ笑い踵を返した。
「じゃあ、明日からよろしくね。『彼氏さん』」
「あっ……!」
真月はそれだけ言うと、中庭から出て行った。
残された涼は、ポツンと一人たちながら。
「か、か……『彼氏』……!!」
彼氏という特別な単語に喜びと嬉しさを感じていた。
ちょ、なんでそんな冷静?! end
『桜咲く季節の最後。17歳の僕に初めての彼女ができました』
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