コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。【オリキャラ募集】 ( No.15 )
日時: 2013/10/27 15:02
名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: DZWfhZUD)



真月と涼は二人揃ってお弁当を忘れたため、
学食にきていた。それぞれ食べるものを決めて、
席をさがしていた時だった。


「真月せんぱーい、涼ちゃんせんぱーい!」
「げ。」
「あ、健太だ」


ぶんぶんと手を振りながらこちらにやってくる茶髪の少年。
ネクタイの色は緑。一年生だ。
彼の名前は朝倉 健太(あさくら けんた)。
真月たちの後輩にあたる。


「せんぱい達、仲良くご飯ですかっ?」
「は、は?!べべべ別に仲良くねー……」
「うん。そうだよ、健太は?」


涼の否定を遮って、真月が涼に問いかける。
健太は人当たりのいい笑みを返して「僕も学食にご飯食べにきたんです」と言った。


「そーなんだ。でも、座れる席ないんだよね」
「あ、それなら大丈夫です!」
「は?何が大丈夫なんだよ」
「席のことですよ。二人も一緒にどうです?」
「席とってもらってるとか?」
「さすが真月せんぱいは鋭いですね」
「健太、俺は疎いってか?」
「そうとは言ってませんよ」


真月と涼は健太の案内で、
学食の一番はじのテーブルに向かった。
そのテーブルには『予約済み』という紙。

(予約済み……予約とかできるのか)

真月はそう思いながら、席に座った。
涼が座ると、健太は「じゃ、おれなんか買ってきますんで!」と言って、
人の波に入り込んで行った。まるで猫のような身のこなしだと、真月は思った。


「先に食べてようか。涼ちゃん」
「……おう」
「じゃ、いただきまーす」


真月はパチンと割り箸を割って、
自分の昼ご飯であるカレーうどんを啜った。

真月はほのかに辛い後味がたまらなく好きで、
学食の時はいつもカレーうどんだった。


「ん?涼ちゃん、さっきから食べてないね。お腹空いてないの?」
「いや……そうじゃない、けど」


『けど』と言葉を切った涼。
真月はそれを不思議そうに見ていた。
と、そこへ。


「ただいまーです!」
「あ、おかえり〜健太。おぉ、カレーか」
「はい!真月せんぱいのカレーうどん見てたらカレーが食べたくなっちゃって」


えへへ、と笑う後輩を見て、
真月は頬を緩めてその頭を撫でた。


「……!!」
「えっま、真月せんぱい?!」
「よしよし……」
「もう、真月せんぱいやめてくださいよー」
「うん。健太、可愛いね」
「だから、もー!」
「……」


じゃれる二人を、
涼は不機嫌な顔で見つめていた。

Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。【オリキャラ募集】 ( No.16 )
日時: 2013/12/24 10:30
名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: QSUq1i9f)




「真月なんか嫌いだ!!」


その一言で帰宅ムードの教室が静まり返った。
瞳を潤ませ目の前にいる真月を睨みつけた涼は、
呆然とした真月に背を向けて教室から走り出した。


「……」


なんだなんだ、とこの状況を見守っていたクラスメイトがガヤガヤしてくる。
先ほどからピクリとも動かない真月。
一人の男子が勇気をだして真月に話しかける。


「あ、あの〜……神谷?」
「死ね」
「ふぇえ?!?!なんでっ?!」


涙目になる男子。
恐怖に震えるクラスメイト。

誰かなんとかしてくれっ……!

と、クラスメイトたちが思っていると。


「お、珍しく真月いんじゃーん」
「まじ?おーい!まっつきちゃーん!」


教室のドアにピアスに金髪、短いスカートといういわゆる派手系の生徒たちがいた。彼らは学校でも浮いた存在で、暴力的な事件も起こして停学になったものもいて。ようするに柄が悪い。
そんなやつらがなぜ真月を?と思うものもいるらしくざわざわと教室はざわめく。


「あ?うっせぇぞ、お前ら」


一番柄の悪い金髪の男子生徒がドスの聞かせた声を響かせる。
ひっ、と体を縮こませた生徒たち。
と、さきほどから無言を貫いていた真月が彼らの方を見やり言った。


「あー……どしたの、鈴木」

鈴木と言われた金髪の男子生徒はニヤリと笑いながら言った。

「お前、いまから遊びに行かね?お前の彼氏くんもいねーしな」
「あー!あの可愛い子でしょー?」
「そういえば、いねーなー」
「な、久しぶりにあそぼーぜ!」


「あー……うん。別にいいよ……」


そう言った真月にクラスみんなが驚いた声を上げる。
真月は途中だった身支度をみませ、鈴木に肩をだかれ教室を出て行った。



















→これは長くなるな!

Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。【オリキャラ募集】 ( No.17 )
日時: 2013/12/27 17:45
名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: nxaZWi37)

鈴木たちに連れて来られたのは、
都内のゲームセンター。
放課後遊びにくるには定番だが、このゲームセンターは少し違った。
ようするに、柄の悪い連中しかこないということだ。

(あー、なんて来ちゃったかなー)
ぼー、とゾンビだかを倒すゲームに夢中になる鈴木たちを遠くから見ながら真月は考えていた。

(涼ちゃんに嫌いって言われたことがショックすぎてなんも考えずに返事してたわ……)
いまさら自分のことを呪ってもどうもならない。
ともかく、真月には涼のことしか頭になかった。

(嫌いと言われる心当たりが……いや、あるにはある、が。)
決定的な原因がわからない。
うむ〜と悩んでいると、ゲームの終わったらしい鈴木たちがこちらにやってきた。


「なんだよ、真月。お前もやれよ」
「いや、あたしはいいよ。」
「はぁ〜?ノリ悪ー」


(ともかく、涼ちゃん家に行こう)
そう決断をした真月は鈴木たちに手を合わせた。


「ごめん。用事思い出したわ、あたし帰るな!」
「えー!真月帰っちゃうのー?」
「もっと遊ぼうぜぇ〜」
「いやー、どうしても外せない用事でさー」


「じゃね!」と鈴木たちに背を向けて走り出した。






ヤキモチ焼きの僕は。前編end



『うるさい鼓動を止めるために』