コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。 ( No.2 )
- 日時: 2013/10/22 17:50
- 名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: Xr5Y0osE)
「ま、ままままちゅき!!!」
「うん。誰だ?」
ざわざわと騒がしい教室で、
一際目立つというか騒がしい二人の男女。
今はお昼休みなので、
騒いでいても構わないのだがどうも目立ちすぎている。
というのも、赤髪が目立つ背の高い女子とチビな黒髪の癖毛男子というなんとも凸凹なこの二人はつい最近付き合い始めた初々しいカップルな訳で。
クラスメイトたちのからかいの的でもあるため、遠くから二人を見ているのである。
「て、ていうか!無茶ぶりなんだって!いままで、苗字で呼んでたのに急に名前で呼べとか……」
チビな癖毛____白沢 涼は真っ赤になりながら言う。
「じゃーさ。ずうぅぅっと、苗字で呼ぶの?『付き合ってる』んじゃないの?あたしらって」
赤髪が目立つ____神谷 真月はケータイをいじりながらくんでいた足を下ろす。
「そ、それは……」
「……んー、じゃ。あたしが先に言う?」
「へ?」
言う、というのが自分の名前を真月が先に言うということを理解するのに涼は3秒を費やした。そして、ボッと発火した。
「はっ?!ちょ、ちょちょちょ待てよっ!!」
「その代わり、あたしが言ったら次言ってよねー」
「ま、待て!ここ、心の準備がっ……!」
「はーい、さーんにーいーち……」
「わあぁぁぁあぁあ!!まっ……」
慌てて涼が真月の口元を押さえにかかる。
が、それは軽くかわされて。
逆にグイッと真月のほうに引き寄せられた。
「『涼』」
耳元で囁かれたその名前。
涼は硬直して、それから耳まで真っ赤になった。
「わ、おおおおお、お前っ……あぁあぁぁぁっ」
「いや、慌てすぎじゃない?」
クスクス笑いながら言う真月。
それにムッとしながら、
涼はまだ熱を持つ頬を隠すように両手で押さえた。
- Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。 ( No.3 )
- 日時: 2013/10/22 18:34
- 名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: Xr5Y0osE)
「ほーら、早くいいなよー」
「うっ……!」
「あたし、言ったじゃーんか。ほーら、早くー」
いつものようにニコニコ笑う真月。
真っ赤になりながら後ずさる涼。
静かに見守るクラスメイトたち。
「……ま、」
ごくっと誰かが息を飲むの音が聞こえた。
涼はスゥと息を吸って、
小さく、小さく呟いた。
「…………………………真月」
「うん。涼ちゃん」
真月は嬉しそうに笑って言った。
しかし、涼は真月の言った言葉に反応した。
「おい。涼『ちゃん』ってなんだ」
「え、可愛くない?涼『ちゃん』」
意地悪く『ちゃん』を強調する真月に、
涼はふるふると怒りに震えキッと真月を睨んだ。
「お前……俺がその呼び方を嫌がるのを知っていてか!」
「お前じゃないよー、『真月』でしょ?」
「うっ……ま、まつ……だぁぁぁぉぁ!!お前で十分だろーがっ!!」
いつものように二人のじゃれあい(?)が始まり、
遠巻きに見ていたクラスメイトたちは呆れて授業の始まりを告げるチャイムが鳴ったと同時に席についた。
二人のじゃれあい(?)は教師がやってくるまで続いたのだった。
名前呼びとか勘弁してくださいッ end
『慣れるまで時間がかかりますが、気長に待っててください』