コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。【150突破あざます!】 ( No.28 )
日時: 2014/03/26 23:23
名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: MsIbxfYV)
参照: 真月ちゃんをいじめる話。




(いや?!涼、男の子だ!!)

抱きしめられた腕が予想以上に力強くて、
包み込まれた身体予想以上にあったかくて。
柄にもなく取り乱してしまった。


「てか、涼。背おっきくなった?」
「えっ、あっそうか!!」


抱きしめられていた腕が解かれて涼と向き合ったら、
目線がいつもより上だった。
嬉しそうに笑う。わかりやすい。


「ま、まあー成長期だし?これからぐんぐん伸びていくかんな!」
「…っ」


なんか、キラキラしてる。涼が……キラキラって……
(涼が直視できないほどイケメンに見える?!)
頬にまた熱が集まってくるのがわかった。やばいやばいやばい。


「?真月?」
「ふぁ?!」
「ぅえ?!」


不思議そうに顔を覗き込まれる。
その近い距離に驚いたあたしが声をあげた。


「ど、どうしたんだよ……」
「ぇあ……い、いや……」


じわじわと距離を開けて心を落ち着かせる。
(んな、こんな距離なんていつものことだろ?!どしたあたし?!)
わけわからん。自分がわからん。


「真月、まさかお前。風邪でもひいたのか?!」
「ぇ、まさか。あたし風邪なんて生まれてからひいたことはぶふぅっ!」
「マフラー!」


風邪をひいたなんて誤解をあたえてしまったようだ。
涼がすばやくあたしのマフラーをつけなおさせ、
さらには自分の着ていたカーディガンまで脱ぎ出す。
さすがにそれは涼が風邪をひいてしまうから遠慮したけど。


「ちゃんと寝ろよ!」
「ん。ありがと」


結局。
涼の家を通り過ぎ、あたしの家までやってきてしまった。
涼が送ってくれたのは嬉しいけど、涼に迷惑かけたかな。


「じゃあ、な……」
「ん」


もふ、と自分のマフラーに鼻先までうずめて涼を見送る。
手を振るとふりかえしてくれた。
嗚呼、可愛い。ぽてぽて歩く涼の後ろ姿が可愛い。
最近かっこいいって涼のこと意識してるから、
可愛い姿を見ると安心と言うかホッとする。


「ん?」


と、涼が道を戻ってまたこちらに走ってきた。
何か忘れたことでもあるのかな。
そう思って、数歩前に足を踏み出した。


「っちゅ」


そしたら、リップ音。
頬に柔らかい感触。
あたしを包み込む腕。
さらさらの癖毛。
恥ずかしそうに頬を染めた涼の顔がすぐ近くにあった。
なにをされたかなんて、わからなかった。


「……じゃな!!」


すごい速さで走り去る涼の後ろ姿を見送る。
冷たい風が頬を撫でた。


「………………え」


あたし、頬にキスされたのか。
嗚呼、あっつい。








男の子だから、油断しちゃダメ!end
『 ほっぺたがあつい。これって風邪かな、早く寝よう』