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『 真月 』





嗚呼、まただ。
また、あの子の声がする。


『 真月 』


夢をみてるなんて不思議な気分だな。
はっきりとじゃないけど、ここは夢の中なんだってわかる。

最近ずっと夜寝るとこんな感じ。

あたしは病室にいる。
どこにでもあるような白いシーツのベッドに白い壁紙の部屋。その部屋のベッドにあの子はいる。
たくさんの管を通して生きているあの子。


『 真月 』


ほら、また。
あの子はあたしの名前を呼ぶ。
あの子を見つめても、顔がぼんやりとしか浮かんでこない。


『 だいすきだよ 』


そう言ったあの子はゆっくりと消えていった。









記憶に縛られる彼女の夢の話end
『 怖いんだよ。だから、好きなのは怖いの 』