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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 意地悪彼女とツンデレ彼氏の恋日記。【オリキャラ募集】 ( No.9 )
- 日時: 2013/10/25 23:32
- 名前: 八田 きいち。 ◆8HAMY6FOAU (ID: eqvLcwt4)
「真月ちゃん!涼くんにもっと優しくして!!」
「……鳴流?どした」
それは、あたしが珍しく一人の昼食をとっていた時だった。
クラスは違うが、中学が一緒で親友の西園寺 鳴流(さいおんじ なくる)があたしのクラスにやってきたのだ。
長い綺麗な黒髪を揺らし、パッチリとした瞳は心なしか怒っているように見える。
「涼くんから聞いたの!真月ちゃんが涼くんに意地悪ばっかりするって!」
「へぇ……」
ずずずっと、イチゴ牛乳パックを啜る。
当然のことながら甘い。
「付き合ってるんでしょ?なんで、意地悪なんかするの?」
「してるつもりはない」
「それは加害者の言うことです!」
「あたしは犯罪者か」
「私は被害者のほうを信じますので!」
胸をはるように腰に手を当てる。
ちょっと子供っぽいが可愛い。これで、運動神経抜群、成績優秀ときたらモテないわけがない。
「もお、なんでそんなに涼くんに意地悪しちゃうの?」
「だからね、意地悪してるつもりはない」
「そんなことない!……私、聞いたもの!」
ほのかに頬が赤い鳴流。
いったい涼ちゃんに何を聞いたのだというのか。
まあ、思い返せば恥ずかしいようなことしてるよな。
「で?何を聞いたの?」
「……それは」
「ん?なぁーに?」
「……う」
「なーくーるーちゃーん?」
「……うぅ、真月ちゃんの意地悪!!」
最後に可愛らしい『馬鹿っ!』を言い放って、
鳴流は走り去って行った。
あたしは薄く笑いながら、まだまだたっぷりと入っているイチゴ牛乳パックを見つめた。
薄ピンクの甘い色。香る匂いも甘ったるい。
あたしは甘いものはあまり好きじゃない。好んでは飲まない
どちらかというとコーヒー牛乳パック、いやコーヒーが好きな人間だ。
甘くはないちょっぴり苦めなのが好きだ。
でも、
この甘い匂いは嫌いじゃない。
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