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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.100 )
- 日時: 2013/11/10 14:52
- 名前: 雪 (ID: XvkJzdpR)
「じゃあそろそろお暇するね。」
「アリス?」
突然だったが時間的にはもう日が沈みかけている。
当然といえば当然だった。
少し驚き顔に向かって不敵に笑った。
「また会える、でしょ?それより…ケイ…」
?
アリス?
ドキッとして息をのむ。
何時もアリスは他人との距離のとり方が人とはずれている。
要するに近いのだ。
だがこよみの口から意外な言葉が出てきた。
「お金貸して。」
「えっ?」
聞き違いと一瞬思ったが3秒後、事態が次第に飲み込めた。
「えっ…お金?…えっ?」
「ここに来たら帰りのお金がなくなった。」
アリスの超簡潔な答えで少し時間はかかったが理解できた。
「あっ…うん…」
「有難う。」
「いっ…いや…」
?
「…僕も一緒に行く…」
「えっ?何?」
何でアリスは肝心なところが聞こえていないのだろうか…
イライラするというか…全く人の気も知らず…
「送る…ちょうど向こうに用があったし…荷物まとめて持って行くつもりだったし…」
不思議そうな顔をしたアリスがふっと微笑んだ。
「有難う、ケイ。」
全く自覚なしにそんな顔しないで欲しい。
他の人に見られたらどうするんだ…
と考えて慌てて考え直した。
「ちょっと、準備するから待ってて!!」
駄目だ…アリスの顔を見ると駄目になる。
ぐちゃぐちゃになる…
駄目だ…諦めるって決めたのに…
こみ上げてくる想いを抑え込む。
答えなんて分かってる。
でもだからって簡単には諦められない…いっそ諦められと方が幸せだった。
でも…諦められない。
それが分かってるなら今は正直にこの気持ちと向かい合うしかない。
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