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Re: 秘密 ( No.142 )
日時: 2014/11/15 16:08
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

それからアリスに呼び出されたのは翌日のことだった。

アリスはくじけても立ち上がるのは早くて何をやるにも、効率的に終わらせようと試みる性格だった。

「昨日は有難う。」

開口1番、彼女はそう告げた。

「…お礼なんて言われる筋合いはないよ…」

「どうして?」

からかう様に笑う。

「アリスのために…何もできなかった…」

「してくれたじゃない。」

えっ?

「リンに会いに行こうって言ってくれたし、私のトラウマについても聞いてくれた。
ココアだって飲ませてくれた。ほら、たくさんしてくれたじゃない。」

だめだ…

それじゃ結局…根本的な解決は導き出せない。

「ケイはいっつも優しくて、責任感も強くて頼りがいがあって私好きだよ。
今まで誰1人だって私のトラウマの話なんてしたことなかった。」

マリーにすらも。

話したことなんてなかった。

「私が6年前のことを思い出せたのは多分ケイのお陰だよ。
それに多分誰にもこのトラウマは治せない。結局は私が立ち向かわなくちゃいけないんだ。」

それでもまだ罪悪感に囚われている顔をしていたのだろうか、アリスは続ける。

「実は暴走したのって今までずっと隠してた。」

でも…と彼女は続ける。

「でも昨日は違った。ケイがいた。
ケイも一緒だから私は頑張れた。暴走を隠すことなくさらけ出せた。だからお礼を言ったの。
ありがとう、ケイ。」

今までに見たこともないほど晴れ晴れした顔でアリスはケイに向き直った。

「さっ、リンに会いに行こう!!」