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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.163 )
- 日時: 2013/12/16 21:59
- 名前: 雪 (ID: ewPwHyR8)
「…ん?」
自分の声で目が覚めた。
気付かぬ間に寝ていたようだ。
なかなか寝付けなかったがやはり熱には勝てなかったようだ。
それもこれもアリスが寝る前にあんな話をしたからだ。
・・・数時間前・・・
他愛もない話をしていたところ話はItemMemberの話へと進んでいった。
「先週発売のCD、完売だって仁科が言ってた。」
仁科とはマネージャーのことだ。
とてもスパルタでアリスやケイ達に厳しいレッスンを組んでくれる。
怒らせると恐ろしいが意外と空気も読めるし気遣いも出来るマネージャーで初デビューの時には応援の言葉で救われた。
仁科の指導により、自信を持ってデビューで来た。
「それで…」
まだまだ話は続くがふと話題が変わった。
「そういえば…仁科が外であだ名の使用はやめろって。」
顔を少し歪めているところから相当こってり絞られたようだ。
「でももうアリスで定着しちゃったし…」
「三田村こよみ。」
ケイの言葉をさえぎるように声をかぶせる。
「私の名前。」
ドキリと心臓が跳ねる。
「こよみだよ、圭。」
詠みは同じだがすぐに違いに分かった。
圭って名前で呼ばれている。
「おやすみ。」
そう言って一方的に挨拶すると毛布をかけてケイに背を向けた。
・・・現在・・・
また寝てる間に氷嚢を変えたのかケイの布団に突っ伏して寝ている。
「全く…」
アリスと呼ぶ直前で手と同時に言葉を引っ込める。
再び伸ばすと抱きかかえるようにアリスの頭に手をまわして周りに誰もいないのに他の誰にも聞こえないようにと小さく呟いた。
「…こよみ」
呟いた瞬間こよみの顔がほころんだ。
再びドキリと心臓が跳ねた。
こよみから顔をそむけるが顔の紅潮はいまだに消えない。
「…ったく…また寝れないじゃん…」
ケイは小さく呟いた。
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