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Re: 秘密 ( No.176 )
日時: 2013/12/24 12:13
名前: 雪 (ID: 0bGerSqz)

止めたはずの涙。

でも今はそれが流れている。

不思議だ…

「…こよみ」

圭の声。

ビクンッと体がその声に反応する。

「わざと手を抜いたんでしょ。名前さえ書けば僕の負け。だから…その…」

言い淀むがその間も顔を上げられない…

「…ご褒美だよ。」

圭の顔が…見れない…

「ちょっとなんか言ってよ。」

圭がこよみの顔を覗き込む。

こよみは顔を赤くしながら目に沢山の涙をためていた。

「そんなに嫌だった!?ごめん、アリス!!」

嫌なんかじゃない…なんだか…嬉しくて…

でも言葉にならず涙があふれる。

流していて気持ちいい涙。

マリーの言う通り確かに飛び上がるほど嬉しくて…変になった…

それだけで薄々気付いていたその気持ちに名前をつけられる。

あたふたとする圭を見る。

こんなにも愛しい気分になったことがあるだろうか。

「別に嫌なんかじゃないよ、圭。」

わずかに目元に残った涙をぬぐい、笑いかける。

「そう?」

ほっと肩の荷が下りた様に笑った。

「良かった…てっきり名前で呼ばれるの嫌なのかと思って…アリスってほんと分からないところがあるから…」

「失敬ね!」

ぷぅと顔を膨らませる。

「お土産見て行く?」

「うん、リンとマリーに買って帰らなきゃ。」

頬を染めながら圭の横に並んで歩く。

何時までもこうして隣にいたい。

私は圭に———————————恋をしたんだ。