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Re: 秘密 ( No.197 )
日時: 2014/01/11 17:02
名前: 雪 (ID: 8vQb.n8e)

「あのね…圭。」

振り返った圭の顔が今までよりもずっと愛しい。

「私ね、アリスって呼ばれるの嫌いだった。
今の今までその理由が分からなかった。でも多分理由は…母が私にくれた名前で呼んで欲しかったから。」

こよみ。

母が呼んだ私の名前。

「でも…圭達が付けてくれたアリスって名前、私嫌いじゃないよ。」

不思議といつの間にかアリスと呼ばれるのに慣れていた。

大好きに…なっていたのかもしれない。

「だから…ありがとね。私をアリスにしてくれて。」

圭達とはいろんな話をしてきた。

今まで誰にも話せなかったことも。

私はそれで救われた。

前よりも今の方がずっとずっと好きになっているような気がした。

「…どういたしまして」

もう決定的だ。

圭の笑顔を見て気付いた。

今までと比べ物にならないほど好きになっている。

もう…認めよう。

もう…楽になろう。

「…好きだよ…圭…」

思い切って言葉にすると急に恥ずかしくなった。

「えっ?」

でもその言葉は圭には届かなかった。

「…ううん…なんでもない…」

まさか…届いてないよね?

「っじゃ、これでね。大人しく寝ててね。」

バタンッと扉を閉めた。

アリスは布団の上に倒れ込み、圭は扉にもたれかかった。

「「まさか、ね…」」