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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.206 )
- 日時: 2014/01/13 23:00
- 名前: 雪 (ID: OK7TThtZ)
花火が上がった。
大きな音とまばゆい光が辺り一帯を覆う。
「しばらく…ItemMember、行けないかもしれないけど…心配しなくていいから。」
アリスの声は五月蠅い花火の音の中でも鮮明に聞こえた。
「マリー、何に悩んでいるか私には分からないけど…私はいつもマリーの味方だから。
自分に自信を無くしても自分を信じて。きっと大丈夫。私を信じて。」
その視線は相変わらず花火に向いている。
「リン、いつも相談乗ってくれて有難う。
リンはいつでも私をしっかりとサポートしてくれたこと、覚えてる。
いつか私もリンをサポートできるように頑張るから。私を信じて。」
花火に向いていた視線がほんの少しだけ圭の方に向く。
「圭。私、気付いた。私は皆を利用してるんじゃない。必要としているんだ。
圭と同じように私も圭を必要とする。皆を必要とする。必要不可欠。」
そして再び花火を見つめ頬を緩めた。
「皆なら…私を見つけて救ってくれるって信じてる。だからずっと待ってる。」
皆の方にハッキリと顔を向けると笑った。
その瞬間狙ったかのように花火が上がった。
その音は喋りかけたアリスの声をかき消したがその口の動きは確かに告げていた。
「少しの間だけ、さようなら。」
そしてその言葉通り、彼女は祭の後から姿を消した。
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