コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.210 )
- 日時: 2014/03/28 08:52
- 名前: 雪 (ID: mhiP6sLm)
そんな3人が心配する中アリスは車で移動していた。
もうゆかた姿ではなくちゃんとした服装をしていた。
動きづらそうにちゃんとした正装で踵もとても高い。
ちゃんとした服なのにその服はとても動きづらくてまるで囚人服の様だ。
罪人が逃げないようにきつく締めつけている。
車も何時まで経っても目的地に着かず、本当に着くか疑わしくなりながらもずっとアリスはゆられていた。
運転手は何を話しかけても返事が無い。
まるで生きていないようだ。
携帯も没収され暇を持て余していた。
「あ〜あ!!」
靴を脱ぎ車の座席に横になる。
無駄に広い車。
しかしそこにはアリス以外の声はなく、ただただエンジン音が静かに空しく響いていた。
皆に会いたいな…
私は自分の意思でここに来た。
それで一体なにを…と自分でも突っ込みたくなる。
でもどうしても来たかった。
だがまさかこんなに長引くとは思わなかった。
ごろごろしてもちっとも眠れそうにない。
それも当然だ。
先程死ぬほど寝たのだから。
体を起こし今度は窓から外も見る。
相変わらず何処を走っているか分からない。
何故なら窓には変なシートが貼ってあって外が見えないように加工されているのだ。
窓は開かない。
つまらない。
♪-♪-
鼻歌を口ずさみながら思い出すのは6年前のこと。
私はあの時確かに皆がいなくなって怨んだ。
でもまたいつものように仕方ない、と自分を納得させて…それでも忘れられなくて未練がましく歌ってきた。
そして実際に皆に再会して思った。
ああ…——————寂しかったのって私だけじゃないんだ…
皆が皆3人と別れを告げていた。
皆は別々に散った。
理由はまだ知らないが結局は皆は誰にも合わずひっそりと姿を消した。
仲間と別れたのは私だけじゃない。
圭やマリーは中学が同じだと聞いたがあの感じだと会話も大して交わしていないのだろう。
むしろそっちの方がつらいのかもしれない。
会える距離にいるのに…言葉は交わせない。
交わせない理由は思い当たるのは罪悪感。
やはり皆は私から離れたくてあの時突然消えたのだろう。
覚えていないから何とも言えない。
でも嫌われることでもしたのか…何をしたのか…見当はつかないが…
私がきっかけで皆は別れたんだ。
私の中の何かが悪かったのだろう。
今更何が悪かったか聞いても答えるとも思えない。
私だけをのけ者にして3人で遊ぶ…何て選択肢もあったはずだ。
それを選ばなかったのはせめてもの優しさなのだろうか…?
私が代償を払うのに自分たちだけ一緒にいるのが許せなかったのか…
今となっては分からない。
歴史は闇の中、とでも言っては大げさすぎるな。
「くだらないこと考えたら余計退屈になってしまった…」
くだらない…
今更何を言っても意味がない。
価値の無いものに私は執着しない。
そうでもなければ生きていけないから。
この厳しい世界で。
はぁ…とまた大きく溜め息を吐く。
「皆に会いたいな…」
そう言って彼女はもう1度溜め息を吐いた。