コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.224 )
- 日時: 2014/03/30 12:41
- 名前: 雪 (ID: DNCcZWoc)
〜・行間 伝えたいこと・〜
「お、おおおお…起きてたの!?」
「うん…流石にあれだけ寝れば目も醒めるよ。」
恥ずかしいセリフを散々並べ立てて真っ赤な圭。
…少しだけ可愛い。
よいしょ、とベットに手を突きのんびり体を起こす。
だいぶ回復しているようだ。
「何?あんなに恥ずかしい言葉はもしかして嘘だった?社交辞令だったの?」
「…違う…けど…」
「何?聞こえない。」
意地悪なアリス。
何処までも笑みを絶やさない。
「嘘じゃないよ!絶対に助けて見せる!!掴み取って見せる!!」
大声を出してからハッと口に手を当て、恥ずかしそうに顔を赤らめた。
ふっ、と笑う様なアリスの小さな声が聞こえた。
「…その意気だよ。」
ポンッと圭の肩に頭を預ける。
温かい。
「もっと自信持っていいんだよ?私…信じてるから。」
それからグリンと圭の方に顔を向ける。
相変わらずの笑顔がそこには合った。
「何処にいても見つけて、助けてくれるって…信じてるから。
圭はこの三田村こよみさんを救ってくれた恩人なんだから。胸を張りなさい。」
安らかに目を閉じた。
薬の影響なのか少しだけ荒いアリスの息遣いが肩越しに伝わる。
ゆっくりと圭の背中に手を這わせる。
久しぶりすぎて。
愛しすぎて。
涙が零れそうになる。
「…会いたかった…圭…」
泣きそうな声。
そぉっと…アリスを抱きしめる。
気付かぬ間にまた痩せた。
2人抱きしめあった。
そのままどのくらいの時間が経ったのだろう。
お互いそれっきり動かず、時間が止まったように感じられた。
2人だけの。
今だけの。
特別な距離。
特別な時間が過ぎていった。
やがてしばらくすると再びアリスの寝息が聞こえた。
くぅくぅ…
アリスをベットに戻す。
また軽くなった。
頬もこけた。
それでも青白かった頬に少しだけ人間味が戻ってきた。
「…全く…」
静かに圭は呟いた。
「無防備にそんな顔しないでって言ったのに…」
何時か自分にコントロールが効かなくなるかもしれない。
いつもどれほどアリスに触れるのに覚悟がいるのか分かっているのだろうか?
それをやすやすと…
思わず呆れる。
いや…
さすがアリス…と言うべきなのかな?
アリスのお願いだもんね。
・・・何処にいても見つけて、助けてくれるって…信じてるから・・・
・・・圭はこの三田村こよみさんを救ってくれた恩人なんだから。胸を張りなさい・・・
そう言われたら…
助けるしかないじゃない。
「…あたりまえだよ。」
助けて見せる。
掴み取って見せる。
アリスに恋をした1人の男として。
アリスを全力で救って見せる。