コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.322 )
- 日時: 2014/04/12 12:45
- 名前: 雪 (ID: 5b2hjtdK)
「だからあの子には母親の記憶も…あなた達の記憶すらも…とても危ういんだ。
限定して抹消できるって言ってもまだ実用にまでは少し届かないんだ☆」
でもほとんどは完成に近い、という意味になる。
「だから私も親のこと、良く覚えてないんだ〜☆」
もしかするとアリスの親戚かもね〜☆、とふざけながらエリスは言った。
「笑い事じゃないですよっ!」
「じゃっ、どうすればいいの?」
…言葉が出なかった。
覚えてない。
それは不可抗力だ。
エリス自身にはどうすることも出来ない。
笑い飛ばすしか…
「…ごめんなさい…」
「なんでマリーが謝ってんの?」
て〜いといいながら頭のど真ん中にチョップが降りかかってきた。
「アリスにも言ったが別に諦めた訳じゃない。まだスキーだって1回しかしてないし☆
親って言っても所詮は赤の他人だし、親がいなくてもちゃんと育つもんは育つんだよ☆それはアリスと私が証明してる。」
アリスもエリスも親のもとで愛を受けて育っていない。
それでもこのように今目の前に立っている。
…でも少し無理して明るく振る舞っているようにも見える。
けれど結局は私の力ではどうしようもない。
もう昔のことを追及してもどうしようもない。
昔より今を幸せに過ごす方が大事だ。
今日はエリスとアリスだけを集めてアリス達のことを聞きたかった。
アリスには結局聞けなかった。
楽しそうに振る舞っていたのもそうなのだがアリスの言葉を聞くのが怖かった。
彼女は淡々と恐ろしいことを言う。
それは彼女が体験してきた経験である。
笑っている顔を曇らせてまで聞きたくなかった。
エリスはアリスよりも外の事情に詳しく、どんなに聞いても笑顔は崩れないと知っていた。
エリスだけを呼びだせばアリスは不思議がる。
だから女子会と称して2人を呼んだ。
話したがらない訳だ。
話すと私達の笑顔が曇るのが分かっているから。
だから彼女達は何時でも笑っているんだ。
「お待たせ!…どしたの?マリー?」
アリスはいつでも笑っているんだ。
「なんでもありませんっ!帰りにプリクラでも取りに行きます?」
だから私も笑っておきたい。
せっかくアリス達が私達の為に笑ってくれているのだから。
だから私も笑う。