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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.338 )
- 日時: 2014/05/01 18:13
- 名前: 雪 (ID: JuK4DjxF)
「では、お疲れ様です!明日は寝坊せずにちゃんとチョコを渡してくださいね♪」
早朝から始めたくせにもう夜もかなり更けた。
1日中チョコを食べていたのでもう暫くはチョコを食べたくないくらいだ。
「チョコ…ね。」
友チョコだ。
圭はもう関係ない。
あいつにはあいつの生きるべき場所がある。
「友チョコって初めてなんだ!」
「私もだよ、アリス。」
「アリスって呼ぶのやめろって言ってるだろ。」
私はアリスの名を背負うのにはふさわしくない。
「い〜や!アリスはアリスだよ。他の誰でもない。」
もぉ、と小さく呟く。
「少なくともあいつ等にとってのアリスって言うのは何があってもあんたなんだよ。」
ぴたり、と足を止める。
やっぱり露骨すぎるな、私は。
「…記憶を失っても離れ離れになっても。」
…
にんまりと口角が上がる。
「流石エリス。」
でしょ!とふざけた様なエリスの返事。
本当にエリスと私はよく似ている。
考えることも感じることも。
でも彼女はそれでも世界に希望を持って生きている。
そこが決定的に私と違う。
私は確かにこの世界の眩しさを感じた。
そこに立ちたいと思ったのもまた事実だ。
けれど違うんだ。
決定的に。
「明日、どうやって渡そうかな〜!!」
私の笑い声がむなしく響いた。
明日はバレンタイン。
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