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Re: 秘密 ( No.413 )
日時: 2014/10/20 21:10
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

焼け落ちていく。

かつて凛がいた。

そして今も。

凛を苦しめていた。

あの部屋が。

「なんだか…ドキドキしますね…」

廃墟で。

近くに民家がないとはいえ。

アパート1つ燃やしてきたのだ。

ドキドキせざるを得ない。

「でも…お陰でスッキリした」

凛の長い腕が伸びて来る。

「…それなら良かった」

そっと抱きしめられていた。

でも。

その腕はもう震えていなかった。

「凛の力になりたいと…ずっと願っていたんです。」

私はずっと。

凛の存在に救われていたから。

「救われていたのは…俺の方だよ」

唇を重ねた。

優しい。

キスだった。

「じゃあ、これでおあいこですね。」

ずっと憧れていた。

「互いが互いを支え合える関係に。ずっとなりたかったんです。」

きっとそれが恋人ってことだろう。

ずっと。

凛の恋人になりたかった。

互いに恥ずかしそうに笑うともう1度唇を重ねた。