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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.433 )
- 日時: 2014/12/11 22:58
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
あの子…万里花、と言ったな。
強い子だ。
彼女は自分の身の上話を軽く打ち明けた。
遺伝によって受け継がれる呪い。
誰かの娘。
誰かの息子。
そんなことで。
生まれた時から差が出来ている。
・・・白雪凛が大好きです!・・・
強い子だ。
白雪、といった。
凛ちゃんの今の名字は雪白。
私の息子だと。
それを提示しようとしていたのだろうか。
分からない。
もうこの町には来ない。
最後の最後に。
凛ちゃんに精一杯嫌われて。
それを礎に凛ちゃんが強くなればいい。
一緒に暮らそう。
そんな夢。
叶う訳ないって。
知ってた。
でも。
ほんの1%の可能性でも。
凛が笑顔を向けてくれたなら。
凛が頷いたら。
そんな甘い夢を。
今だ捨てられない。
そんな凛ちゃんにも大事な子が出来た。
母に逆らってまで守りたい。
私にとってのあの人の様な。
温かくて。
優しくて。
いい子。
私にわざわざ連絡を入れて。
頭を下げるなんて、予想外だった。
出来過ぎている。
それにあの子の昔話は少し気になる点がある。
でも。
似た傷をもつからこそ。
あの子の傍にいれるのかな。
支え合えるのかな。
最後の最後に顔が見れて嬉しかった。
ちゃんと大きくなって。
万里花ちゃんとも上手くやってて。
ほっと胸をなでおろせた。
気になることを。
気にしていたことを。
杞憂だと。
分かったから。
さよなら、凛ちゃん
愛しい
あの人と私の子
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