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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.445 )
- 日時: 2014/12/24 14:56
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
「落とし前、なんて冗談だろう?」
日が傾く道を。
凛と並んで歩いていた。
やっぱり…
凛にはお見通しなんだな。
「確かに憎んでいた時期もありました…でも今は…そんなことありません」
性格の問題だから、ってずっと諦めてきた。
それのせいかもしれない。
いまさら、憎むに憎めない。
父がいない日常が。
私にはあまりにも馴染み過ぎた。
だから今更憎めない。
どんなことも。
誰のせいにも出来ない。
ずっと憎まれていた。
使用人でさえ、ひそひそと影であることないこと吹聴していた。
凛。
凛は知らない。
私は凛が。
ずっと。
大好きだったんだ。
憎まれて。
受けいられなかった私を。
凛だけは認めて。
受け入れてくれた。
凛に認められること。
凛を好きでいること。
それが。
私にとっての。
救いだった。
私はもう。
十分に救われている。
「行こう、母との待ち合わせに遅れる。」
次は。
私が母を救う。
凛なら。
絶対にそうしただろうし。
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