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Re: 秘密 ( No.453 )
日時: 2014/12/27 10:00
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

「思ったより、呆気なかったな。」

「まっ、母親は強いってことね」

出逢った時の万里花は。

足は裸足で寒そうなのに。

その上に高そうなコートと言うとても変わった風貌だった。

しかも、大人の男物のシャツだけを身につけていた。

何度か会うようになって。

身の上話を聞いて。

ようやくその訳が分かった。

万里花は。

自分が女であることをなによりも憎んでいた。

自分が男であったのなら。

そう思っていた。

でもそれを聞く度に。

そんなのおかしい、と思った。

だから。

言った。

今思うと恥ずかしい台詞だった。

「それでも…女であること、後悔はしていません。」

それでも本心だった。

今でも。

嘘偽りないと胸を張れる。

すっと、指をからませて意地悪く笑う。

昔の自分には。

決して出来ない表情だった。

「女の子扱いするって言っただろ?」