コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 秘密 ( No.471 )
日時: 2015/02/01 15:27
名前: 雪 (ID: Id9gihKa)

帰り道、必死に顔を隠していた。

まさか、まさかな。

朝霧が、そんな…

気のせいだ、気のせい

何度も自分を落ち着かせようと思ったが、暴れる心臓は収まる気配を一向に見せない。

さっきの朝霧はまるで。

まるで。

「アリス?」

「…圭!?」

今一番会いたくない。

「顔真っ赤。なにを話してたの?」

やはり、顔が赤くなっていたか。

自覚は確かに合った。

「いや…なんでもない…」

圭は変な所で鋭いから、それが嘘だとすぐに分かっただろう。

それでも何も言わずに手を繋いでいてくれたことは、確かに嬉しかった。

圭の手は大きくて、固くて、温かかった。

「…言っておくけど、絶対に惚れたりなんかしないから!」

絶対に絶対に。

惚れたりなんかしない。

圭にも。

朝霧にも。

「今の内だよ、そんなこと言えるのも。」

そういってさらに強く握ってきた圭に。

不覚にもときめいてしまった自分が情けなかった。

まだ心臓は。

暴れたまま。