コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.475 )
- 日時: 2015/02/11 09:09
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
日曜日、10時少し前に学校へ向かった。
朝霧の私服を見たのは初めてだった。
そもそも顔立ちが整っていたせいか、よく似合っていた。
「行くか」
並んで歩く。
以外に背が高かった。
圭よりも高いのではないだろうか。
「っで、どういったお菓子が好きなんだ?」
「酒を使う菓子は嫌いだったな…後は抹茶とかも嫌いだし…」
私は今、なにをしているのだろう。
圭の隣はとても心地よかった。
朝霧の隣だって悪くはない。
話してみて分かるが、割と話が続く相手だ。
本等は読まないが、私が知らないこともかなり知っている。
考え方も多少似ているところもある。
「私と同じだな」
私もアルコールが使われたお菓子は好まない。
一度ウイスキーボンボンを誤って食べた時、酷い有り様だった。
私はあまり覚えていないが、圭曰くいつもより甘えるらしい。
それに積極的になるらしく、圭は酔っぱらっている時の甘えが嬉しいらしい。
後、酔っぱらっていると何時もと違った可愛いさがあるらしい。
覚えてないことでそんなこと言われても、恥ずかしいだけだったが。
その時、早くお酒を飲めるようになりたいと思った。
何時も圭に甘えられればいいのに。
何時も圭に甘えることが出来ればいいのに。
私は自分の気持ちが分からなかった。
本当に圭に恋をしていたのか。
圭に抱きしめられてから、その答えは私の中にずっと疼きっぱなしだ。
「三田村?」
「あっ…」
また無意識のうちに考えていた。
どの道恋をしてもしなくても、私はここからいなくなる。
幸せになることをとっくに諦めた。
記憶を消す、あるいは…
「ああ、チョコは好きだったな」
どちらにしろ私に未来はない。
生きるために具体的な案を考えても思い付くのはこれだけだった。
私に人は殺せない。
殺したとしても、その後あいつ等に顔を合わせられない。
どの道を選んでも、あいつらの傍にいられない。
絶対に安全な方法は1つだけ。
決行は多分1年以内。
今の内に縁を切るべきだ。
「三田村?」
でも、私は上手くない。
もっとうまく別れるべきだった。
そして、私は下手だった。
怪しまれないためには、むしろ黙っているべきだった。
でも、私が耐えられなかった。
傍にいられないことが頭にチラついた。
傍にいることに耐えられなくなったのは私だった。
「三田村?」
「ああ、ここだ」
<ハンプティ・ダンプティ>
綺麗な装飾の、少しメルヘンチックな店だ。
男1人では入りづらそうだ。
傍にいたい。
でも、傍にいることには耐えられない。
傍にいられないくらいなら、離れた方が楽。
そう、思っていたのに…