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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.55 )
- 日時: 2014/03/17 18:37
- 名前: 雪 (ID: jSrGYrPF)
「ちょっと待ってください。」
後ろからハァハァと息切れしている女の子が男を追いかけてきたのだ。
「また逃げるんですか…?」
その女の子の名前は灘 万里花。
たったいまストリートライブが終わったばかりで慌てて追いかけてきたのだろう。
「聞こえなかったんですか…?」
もう1度聞き返す。
2人の間には嫌な空気が漂っていた。
「またアリスから…現実から目を反らすんですか…?」
アリス。
三田村こよみの昔のあだ名。
本人はその呼び名が嫌いで控えていたが今はそんなことは気にしない。
「また…」
息を整えながら言葉を繋げようと頑張るマリーを無視して止めた足を再び進める。
ガシッ
マリーがその男の腕を掴んだ。
「待ってください…」
「体が弱いんだろ。」
ギクリッとマリーの体が一瞬強張った。
嫌なところを突かれたからだ。
「僕のことより自分のことを気にしたら?」
それがどんな意味なのか分かっている。
マリーも残りの仲間にあったらまた傷付くことになるのを分かっている。
それでもアリスの真っすぐな目を見ていると…
男はマリーの腕を振りほどき今度こそ静かに立ち去って行った。
残されたマリーは辛そうに胸に手を当て顔をしかめた。
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