バタンッと扉を叩きつける様に開けられた。部屋には、両手を広げて倒れているテオドールと。そこに馬乗りになっているアリスそっくりの女のひと。長い金髪が絨毯の上に広がる。少し艶めかしくも見える、その光景だが。けれど、2人の間に漂う濃密な空気は他を寄せ付けなかった。たった2人だけの世界で完結している様に。閉ざされた歪な世界を。垣間見た気がした。