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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 秘密 ( No.619 )
- 日時: 2016/09/26 15:37
- 名前: 雪 (ID: Id9gihKa)
アリスが別れよう、と切り出した時。
ブレスレットやイヤリングを、掌につっ返してきた時。
ただただ、信じられなくて。
自分の何が悪かったのかとか。
またアニエスのことで苦しんでいるのか、と思っていた。
アリスは傷つけることに慣れていなくて。
何度も距離を置かれた。
拒絶すれば、傷つけることを知っていたから。
本当の意味で拒絶をしなかったけれど。
本当に、何度も。
どれだけ言葉を掛けても、しばらくすると距離を置こうとした。
アリスにとってはアニエスは長年ついて回った、切り捨てられないものだった。
だからそれを失うことが、不安に繋がることも仕方ないと思っていた。
なによりもアリスに自由に生きていて欲しかったから。
アリスを苦しめるものを、排除しなければならないと信じつづけていたから。
けれど、アリス自身の気持ちを。
気付いたら見落としていた。
恥ずかしい。
自分のことばかり考えていた。
それが、死ぬほど恥ずかしい。
アリスは自分のことを考えて…何処までも他人の事を考えていたのに。
アリスはあの時、なにを想って別れを決断したのだろう。
それを知らないといけない。
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