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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 4 ( No.13 )
- 日時: 2013/11/03 17:33
- 名前: 宮柳 ◆4xAbSiUJOg (ID: qNIh9ax1)
待ちに待った、と言ってもそこまでではないが、多少待ちに待った金曜日がきた。
金曜日は五限目にあるので、何だかいつもより早めに昼食を済ませ一番乗りで多目的202へやって来た。誰も居ない。
いつもの席に座り、そっと机の中に手をやる。あった。
『俺は男だよ。学年は秘密にしようよ。あと敬語も無し! 君は女?』
……男子だった。いや、もしかしたら俺っ子の女子かもしれないけど。
にしても学年は秘密か。敬語も無し。その方が気が楽かもしれない。
『うん。私は女だよ。あなたの事どう呼んだら良い?』
そういえば名前も分からなかった。ずっとあなたって呼んでいるのもあれだし、訊こう。
「井ノ田、立ちなさい」
「えっ、は、はい!」
いつの間にか他の生徒も先生も居て、皆立っていた。いつチャイムが鳴ったのだろう。全く聞こえなかった。
先生に立てと言われ慌てて立ち上がる。皆私の方に注目している。恥ずかしい。
礼をし、数学の授業が始まった。
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