コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: フライパンの上に魔女1人! ( No.12 )
日時: 2013/11/10 17:06
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「それでは今日は、属性魔学について勉強しましょう」
一時間目も、いつも通りにマヤ先生の笑顔から始まった

ちなみに属性魔学というのは 人それぞれ 生まれ持つ能力の話。前も話したけど、あたしは 魔女にはあまりふさわしくない 光と水の力…

「では、今日は5人1組になってから始めたいので、まずは同性の好きな子同士で2人か、3人に固まってください」
マヤ先生が笑顔で言うと、同性同士で、2人か3人にまとまり始める

でもそんなの魔力でちょちょいのちょい。あたしは、3人の女子で固まることにした

「ティアレ〜っ」
もちろんティアレと…。あ、コレットって思った人もいるかもしれないけど コレットは あんまりあたしと噛みあわないから・・・

「もう一人、誰を誘う?」
あたしが、ティアレと一緒になって、教室を見渡す

もうみんな固まって座っていた

「…コレット、でもいいかな?」
ティアレが気まずそうに言った。

「う、うん」
あたしはうなずいた 独りなのはコレットだけ。

「では、みなさん固まりましたね?では 男女をミックスする 籤引きをします 各代表を決めて1人来てください」
と言われ

「あたしが「私が行く」
あたしが、行くと言おうと思ったところで コレットが先に立ち上がってしまった。

(やっぱ 気にしてる…?)
ティアレから テレパシーが送られてきたけど、あたしは何も返さなかった
というか 返せなかった

「では籤引きの結果を言います」

(あたしら、どの男子と一緒になるんだろうね?)
ティアレから またテレパシーが送られてきた

(さあ?)
あたしも返す

「では…1班 ユキ、ルリカ、…」
次々と発表される

「5班 コレット 闇と火、ティアレ 植物、ムリンカ 光水、リョウ 雷、ユリヤ 氷」
(あ、!)

あたしが知らない人ばかりだった
魔属性は均等になっていた

「それでは 班で、魔力対決をします 自分たちの持つ魔力を使って、今から…ハンバーグとプリンとオリジナルで一品とオレンジジュースを。ではどうぞ」

マヤ先生 またにっこり笑顔

「じゃ やろうぜ。」
リョウが 先頭してやり始めた

フライパン魔女さんの魔力対決は 料理 フライパンを使い、自らの料理で戦いを決める
マヤ先生の力でみるみるうちに 部屋が家庭科室みたいになる

「僕は氷だから、オレンジジュースに入れる氷を作っておこうかな」
と、ユリヤがのんびりと言った

「オリジナルは、わたしの闇を入れた 黑ご飯にしませんか」
こういう時だけ、目立つコレットが 男子二人に言った

ズキリ——…

あたしの胸が痛む

コレットにはできる 闇の力が あたしにも欲しい

魔女が闇の力を持つなんて どれだけ栄誉なことか

あたしは…

(気にしちゃダメ)
ティアレから、テレパシーが聞こえる

あたしは心配させまいと こう返した

(大丈夫 分かってるから)

「いいんじゃね?オレらだけ大高得点!」
とリョウが騒ぎ始める

「ちょっと…」
あたしが、調子に乗らないで と注意しようとしたところで、

「ご飯というシンプルなものながら 闇ありっていいよね。闇ってヤミ−! ヒカリってカリカリー」
とあたしの方を向きながら ちらちらと ユリヤが言った

自然に顔が赤くなる 

「そういう言い方 ないんじゃないの? きついよ」
ティアレが二人を注意した

今のは あからさまに あたしを笑いものにしてる気がした。


光———かあ…

Re: フライパンの上に魔女1人! ( No.13 )
日時: 2013/11/10 17:29
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「…悪かった」
悪びれた様子もなく、ユリヤが謝る そしてまた続けた

「ご飯は時間かかるから先にやろう。せっかくだし 係分担しよう」
という話になる

ティアレが、オレンジジュースとプリンを二人で作る と言い、コレット、リョウ、ユリヤはハンバーグとご飯を炊くことになった

「碧の正義 蒼き優しき心」
と、ティアレが ぷりぷりしながら 口数減りまくるあたしとオレンジジュースからやろう!と、気合を入れる

ティアレの呪文に答えたように 数分すると、オレンジが 何個もゴロゴロしていた

「すごい!」
あたしが思わず笑うと

「でしょ? これ、美味しいヤツだよ。蒲郡から取ってきたの〜当たり外れが厳しいから当たりを持ってくるように 植物の蔓に頼んで持ってきたの」

と、自慢げにティアレが言った

(植物の力ってすごいなあ)
それぞれ、自分の性格にあったような力を授かっているから、やっぱりティアレは 植物!って感じだ
みんな名まえや外見にこだわっちゃだめだね

「じゃあ…絞る!」
絞るのはあたしに任せて、と、オレンジを数個 あたしの力で絞り出す

「光の羽 碧羅の水 優麗の海よ 雄大な力よ」
あたしが呪文を唱えると 指先に光りをともって あらかじめ用意してあったボウルに オレンジが水の水流の力で、絞られていく

「おーっ!すげぇ さすがだ。あたしが苦労して取ったオレンジも、めちゃ美味しくなりそ」
と、ティアレが騒ぎ出す

「じゃあ、これで完成か」
とあたしが、硝子コップにオレンジジュースを注いで 一息つくと プリンを作るのに取り掛かり始める

あたしが注いでる間に、ティアレはカラメルソースの作り始めをしていた

ティアレはまた 魔力を使って、グラニュー糖を取り、向こうに居るコレットの火の力で温めてもらうところだった

「闇の詠 朱く燃え 火炎の闇よ 壮大な力よ」
というと、指先から赤き漆黒の光りを放ち・・

グラニュー糖が温まる

「サンキュ」
ありがたみなさそーに、ティアレが言った

「どういたしまして」
その顔は、こういう時だから仕方ないの という感じに満ちていた

(何でもできる。優等生。可愛い容姿 できるとトクすることばかり)
あたしはそう思いながら、グラニュー糖のあまりと、ティアレに取ってきてもらった 卵、牛乳を混ぜ合わせる

そのあと、茶こしを通して器に入れる

「光の羽 碧羅の水」
と言い、水を沸騰させて 火を止めたお湯の中に 入れる

蓋して弱火 あとは冷蔵庫で冷たくする

どちらも、向こうに居る コレットとユリヤにやってもらわなくてはならない

ティアレが戻ってきて、言った

「ねえ、ムリンカ あっちのご飯たくのに水がいるってさ」
ご飯なんだからあたりまえなのにね とティアレがニカッと笑う

「OK」
とあたしは返事をして プリンついでに行く

「これ温めてくれない?」
あたしが言うと、コレットがうなずく

「そのあと、冷やしてほしいの」
と、ユリヤにも頼んでおく

「で 水やってくれよ」
とリョウがつぶやく

「はいはい」
あたしが 呪文を唱える

「光の羽 碧羅の水 優麗の海よ 雄大な力よ」
ご飯だけしかないところに水が溜まっていく 何かいか お米をとぐリョウが言った

「おーっ すげぇ!!さすがだな」
「ありが…」
あたしがお礼を述べようとすると

あたしのその後ろから、突き刺さるような視線で睨んでいるコレットの姿があった

(そんなに人が褒められるのが憎たらしいことなの?…)