コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女のフライパン ( No.44 )
- 日時: 2013/11/19 20:53
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
- 参照: 桜かなで≫フレコ・・・交換、できる??3DS持ってる、の?
第…なんだっけ たぶん 八話 【朝】
toムリンカ
あたしは、先に行ったコレットとルリカ カコセを追い求め 北へ北へと一直線にフライパンを滑らせた
「でも 北へ北へと進んだら 南に戻ってくるよね」
あたしが ははは と渇いた笑いを浮かべた
「た、確かに…でも 物語とかって 西へ西へとか 無いよ 北へ北へがカッコイイし・・・」
と、ラナが笑う
「危ない!」
ちょっと切羽詰まったような声がして、あたしとラナは 誰かに横抱きにされて、下へと落ちていく
「ぎゃー!!」
ラナの叫び声が、広い空にただただ 木霊していく
「わーわーわー!」
わーぎゃー言ってる間に、どんどん加速していく
「危ないっ!!」
また切羽詰まったような声がして、地上と空を区切る壁があたしの目と鼻の先に迫った時、あたしたちは、また青い服に身を包んだ人に、助けられた
——
toティアレ
「ん…?遅いですわね」
ユキの家とムリンカの家は、方面が違うとは言っても学区内
人間界の学区ほど狭くないけど、ホウキの分がある。
「…そうだね」
コトノが ふとしたように言った言葉が、あたしに刺さる
いま 此処はユキの家の中
あたしたちが ユキの家の前でへこたれているのを知ってか知らずか、寒いでしょう中に入りなさい
と促されたので 言葉に甘えたのである
「…んー…っ」
大きく伸びをしながら 置かれたお菓子と、テレビをゆっくりとくつろげるソファに座りながら見る
外に座るより断然良いし、お嬢様生活のコトノには耐えられなかっただろう
「寝ちゃいそうだよ」
あたしが思わずそういうと、
「では 寝ていてもいいですわよ 後で起こしますの」
と、コトノが笑ってくれたので、あたしは 思わずと 眠気に誘われて眠ってしまう
「幻術 デスド・モニカ!」
その壁の陰 ユキのお母さんが呪文を唱えた
———————————
toカコセ
とっくに コレットとルリカが着いているはずなのに 誰も来ない
うち以外、誰も来る気配がない
ホウキが風を切る音も、話声も
ルリカは ホウキに乗る速さは早い方だったし コレットもついてこれるくらいの速さは持ってるから早く来れるはずなのだ。
(少なくとも うちよりは早いよね・・?)
もともと内気な性格 ということも勝って だんだん怖くなってくる
自分の後から誰かくるとは言わなかったのだろうか
ラナは反対気味な言い方だったからラナは来なかったかもしれない
もしかしたら ムリンカとティアレの二人か、コトノが来ているかもしれない——…と、微かな希望を持ちながら カコセは、ムリンカの家の前で待っていると・・・
「あら カコセちゃんじゃなあい」
ムリンカの母親は ちゃあんと うちの名前も覚えててくれる
うちの母さんとは大違い
「あ、どうも」
こういうのは苦手なので 軽く目礼する
「今日は寒いわね。カコセちゃんは どうしたの?あら うちのムリンカは・・。もう カコセちゃんがいらっしゃってるのに!」
と、ムリンカの母親 レリカは、社交性があり、さばさばしていておしゃべりだ
「…レリカ、俺の靴下片方ないって どうも カコセちゃんじゃないか」
と、ムリンカの父親 レコッカ
「あら、レコッカ。靴下くらい自分で探せないの?」
(なんかみんな名前がソックリな気がするのは気のせいじゃないですっ)
ムリンカ コレット
レリカ レコッカ
「あ、どうも・・・」
またまた登場したお父さんも 社交的でさばさばしてる ムリンカ家は、仲良し家族だ
「レリカ。カコセちゃんを 家に入れてあげよう。俺はすぐ出てくから」
といい、スーツ姿のお父さんは、家へと戻っていく
「そうね 寒いし カコセちゃんも 中に上がりなさい」
と、ムリンカちゃんのお母さんが言い、
「えっと——大丈夫です」
と うちが断ると
「そんなこと言わないで 風邪ひくわよ」
と 無理やり中に通された
「ありがとうございます お邪魔します」
- Re: 魔女のフライパン ( No.45 )
- 日時: 2013/11/19 21:08
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
- 参照: 桜かなで≫フレコ・・・交換、できる??3DS持ってる、の?
toムリンカ…
「…あのー」
あたしが、思わず声を出す。飛行降下所に 見慣れた 白黒赤のパトカー絨毯に乗りながら あたしは 運転手の警察と、なぜか一緒に居る男の子を交互にみつめる
「なんであたしたちが・・・」
というと、
「ご、ごめん」
と 男の子が平謝り
「おれ、キーチ」
その子は、割れて傷ついたフライパンをさすりながら 少し笑った
その顔は少しあどけなさが残っている
「あたし、ムリンカ」
あたしも 初対面なので一応挨拶をする
「わたしはラナ」
ラナも続く
「君たち・・いや ムリンカとラナは どこの学校なの?」
そう 魔界では 初対面でも男子は女子のコトを 呼び捨てで呼ぶ人が多い
女子は 女子同士でも男子とでも 呼び捨て呼び捨てじゃない を強くテキパキ分けている
別に決まりはないのだが
「…魔界国立唄星ホシクズ小学校、五年生、よ」
とラナがいい、目を閉じてテレパシーを送りあう
テレパシーを送ると、相手の魔級、魔属性などなど 生徒手帳に書かれたことがわかる
「あたしも同じく 唄星ホシクズ小学校五年生」
と言い、目を閉じる
「おれは、隣の 県立雪夢スズカケ小学校 おれは六年生」
と ニッと笑う
あたしたちの身分 とか キーチの身分 とか そういうの関係なしに、気さくな感じだ
テレパシーで、魔級が1級のこと、魔属性が 風剣なことが伝染して伝わってきた
風剣 とは、風の力の中でも、少しエリートな剣の力を生まれつき持った者のことだ。
ちなみに それは ムリンカも持っていて、普段 「光水」という分類の力だが 本来は「光水羽」であったりする
「…ぼくは、ホシクズ警察のシュキです キーチくん スピード違反しすぎですよ。今起きたのは 事故です ムリンカちゃん ラナちゃん怪我はありませんか?」
そう聞かれ、あたしは ちょっと 絨毯の上で うごいてみる
「うへっ!」
素っ頓狂な声を上げて、あたしはしゃがみ込む
「どうしたの?」
ラナの心配そうな目が ちょっと悲しげに揺れる
「あ、足ひねったかも・・・」
「ま、マジでっ!」
キーチが ピンと背筋を伸ばす
「ラナは?」
あたしが訊くと ラナは
「スピードと、大きな揺れのせいで 酔いました」
と キーチを睨みつけて 言った
すまん!と 手を合わせるキーチに微笑みかけて ラナが言った
「別にいいよっ」
「あたしも スピードと大きな揺れのせいで 酔いました」
あたしが 渇いた声で言った
「すまんっ!」
と今度は声にだしてキーチが言う
そこで シュキが
「ムリンカちゃんとラナちゃんに、怪我を負わせているんです。これはちゃんとした罪ですよ?魔級を一段階下げます」
「えーっ!」
絨毯を運転している シュキというホシクズ警察が、キーチに苦笑いかける
「でもこれにはワケが」
キーチが 真っ青な顔をして言う
「そうだよっ!1級なのに2級じゃねえ」
と ラナがあたしと顔を見合わせる
「その ワケを説明してもらおうかな」
と、向きを急に変えて、シュキが 降下所に向かった