コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女のフライパン ( No.50 )
- 日時: 2013/11/20 20:34
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
- 参照: やったあー 参照100! 魔界ノイーロゼにかからないようにね!
同じく第8話 朝
——
その翌日も そのまた翌日も、ティアレの症状は回復しなかった
帰る方向は違うし、休み時間は教室にはいなくて 図書室 運動場…修道院といる場所が違い過ぎてわからない
しゃべるきっかけがなかなかつかめないなか、授業の中での「ペア」や「班を作る」などで やっとティアレとしゃべることができた。
あたしは、次第に 自身の魔級を上げる という目標を持ちつつ、人間関係も大事にしつつ、ティアレを気遣っていた つもり——だった
「ティアレ!」
ある休み時間、あたしは チャイムが鳴るなり、教室の前の廊下で待ち伏せをしていた
教室には 2つドアがあるから、どちらから出てくるかわからない なので、廊下で待ち伏せしていたのだ
丁度ティアレに会えた
「…ねえ、あのね 聞いちゃったんだ」
あたしは 素直に懇談会の話をした。
——
toティアレ
あたしは、ムリンカの話を聞いているうち 怒りが混みあがってきた
いまにも殴りつけたくなった フライパンを出して いまにも攻撃道具にしたくなった
———つい 口をついた言葉が どんどん口先から出ていく
自分でも何を言っているかわからない
「・・ムリンカは あたしの気持ちも考えてないくせに。わかんないよムリンカには!うまく行ってるんでしょ?自慢話とか 聞きたくない」
あたしだって ムリンカに自慢話いっぱいしてきた
そう思い返して、ムリンカの顔を見た時、すごく傷ついたようなかおをした ムリンカが目の前に居た
これは 絶対あたしの心に残ると思った
虐めは されたほうじゃなくて「したほう」の心に残っていく
改めて 虐めをされた方は「忘れて」しまう
だけど 人間や魔女の頭は、悪いことばかり覚えている
みんな 一昨日の 夕飯のメニューは何か覚えている?
ムリンカなら覚えてるけど あたしは覚えてない
たいていは覚えてない人が多いと思う
嬉しいことも 面白いことも あとから思いだせば あれ、なんで面白かったんだっけ?
ってなる
でも
嫌なことは 自分がその失敗を二度と
———犯さない———
ために 記憶にとっておくのだ。そうすれば、その記憶を思い出して、これはしない方が良いんだ こういえばいいんだ こうすればよかったんだ。
って 1歩成長する
「…いいよ いくらでも言っていいよ 気持ちが楽になるなら それでいいよ」
ムリンカは あたしを見つめて言った
あたしは 目を伏せた
「ここじゃ話しにくいなら あたしの家においでよ それともあたしがティアレの家に行く?」
その声音は 強張っていたけど、優しさにこもっていて
嬉しかった
それから 2,3週間後 ティアレの魔級は上がった