コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女のフライパン −失った君と記憶−【更新中】 ( No.68 )
- 日時: 2013/12/01 11:40
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
- 参照: コユイの人間界での名前は…? 黒薙 瑚唯
【君】特別外伝部分 「白魔女伝説カイナ物語」
これは 遠い遠い 気の遠くなる昔の話…
時の力を持つ 魔師が 必死で調べに行った結果…
−
古く 古式ゆかしく その魔界の存在は 魔界の螺旋は…
かつての魔界は、もとは荒れた土地だった。
海、山、暮らしていくための資源…と。自然に富んでいなかった
ただ 広がるのは 大きな空だけ
しかも その空も荒れ果てた 黒い空 藍色の空 臙脂色の空……そして 曇った瑠璃色の空気……
それは ひどく進歩し、魔師と悪魔が仲良く生きた時代は終わりを告げ、悪魔たちの本能を見せる反応ばかりに導き、魔師たちは、消えていくばかりだった。
そんな時 悪魔たちは、裏魔界を作り上げた
裏魔界は、魔法によって出来上がる 悪魔だけが入れるばしょ
その裏魔界は どんどん発展し、悪魔は魔師を嘲笑うように 悪魔の存在が大きくなり 魔師の存在が点々となっていく。
そんな時、唯一、光を放ち ヒカリソウルの力を持つ 少女カイナが小学校五年生いう年のくせに飛び級で中学を卒業した。
ということが世間で噂されていた
憎たらしい にっくき光の力を持つ少女は 一方で 今の魔界を変えてくれるかもしれない という期待も持たれていたりした。
カイナは、さらに魔学を高め、知らぬ間に世間を騒がしていた
カイナは、裏魔界を作り上げる悪魔に勝とう。本当の魔界を 魔師らで作ろうと促し、
海、山、暮らしていくための資源を自らの手で作りあげ、酷く曇った瑠璃色の空気と風を ヒカリの術式で改善し
その大きな空を 青く澄み渡った群青色に。すっきりとしたスカイブルーに染めて
そして 何よりも重大なのは
———住人を カイナひとりの力で動かした
それだけだ。
だが それをよく思わない者、黒魔女コユイが居た
コユイは、裏魔界の完成を喜ぶ 悪魔の魔女で にっくき闇色のヤミソウルの力を持っていた——つまり カイナの反対である人物がいるということだった
カイナが青く染めた空を、黒く漆黒の黒へ染め上げようとし 富んだ自然を取り壊そうと、闇色にコユイはその魔界を変えていく。それに、魔界中が反対を示しカイナに力を差し伸べる
魔師たちが、いくらカイナを 信じていたか。カイナはどれだけの魔師を味方につけていたか。
でも カイナ反対派が居ることを忘れてはならない
コユイはそちらの者に手を貸し、手を貸してもらう
でも———今は、カイナは魔女の英雄だった。と 知られていた
そして コユイは 魔女の恥 魔女の最低な者
と・・言われ続けていた
だけど…コユイは、悪者なんかじゃなかった
コユイは、人間界で人生の永くを過ごし 人間界を知っていた
人間界での友達もちゃんといて なれないコトもあったけど耐えてきた、自分が魔界の人間であるという素性を隠して生きていたのだ。
でも その生活を続けているうちに、だんだん気づいたことがあった。
人間からして 魔界は 闇をまとった邪悪なモノだと思われているのだ。
(そんなに邪悪なのか)
コユイの知る大親友の凛花は、ライトノベルが好きで、魔法物の本の読書家だ。
おススメの本の話を聞いたりなんかは当たりまえ。
その凛花の話を聞くうちに、だんだん `魔界、をもっと邪悪にしていきたくなった。
だって 魔界は 邪悪であるべきところだから。
いつの間にかそう思っていた。
いつの日か 戻れば魔界の様子は 邪悪になったかと期待したのもつかの間
光り輝いているではないか。
それが コユイには 許せなかった
だって 魔界は———魔界は、邪悪であるべきだから
そしてその第一理由、コユイの母親は 前の環境の悪しき魔界の魔王に いけにえとして殺されていた
自分も悪しき魔王になり、今の魔王を倒す
闇をまとう 新の `魔界、に 変わってほしかった
速く 変わってほしかった・・・・・
わがままかもしれないけど、不幸ぶってるだけかもしれないけど 魔界は輝くわけには行かない。
魔界は光るわけには行かない。
魔界の中の、今の魔界の光へ進む方針の反対派のアジトに向かい、白魔女カイナの血を継ぐものと 魔界の王から高貴な者まで、全てを黒に洗いつくそうと考えた。
そうじゃないと。
そうじゃないと。
そうじゃないと。
いつかはきっと
魔界は ヒカリを用いて 住民の悪魔が 死霊が 幽霊が…魔師が ヒカリの力にやられ消えてしまう
そして…魔界は このまま ある意味、悪魔に 化け物になり果てる
コユイは、魔界の未来を心配していた、ただそれだけ。それだけだったんだ。
だけど 白魔女カイナも、コユイに負けない、力を持っていて
魔界を変える力を持っていて。
どちらも 片側から見れば英雄にしか見えないけど、みんな思えば
———コユイの言い分が正しい
コユイしか 魔界の未来を救うものは居ない——
みんな そう 思ってしまっていた。
みんな 光り輝く魔界の未来が…
もしかしたら———
もしかしたら———
「光」と「闇」
どちらの道を選んだって 魔界は幸せになっていたに違いない
どちらの魔女を選んだって 魔界は不幸せになんかなっていない
どちらの魔女を選んだって 魔界は輝いていたに違いない
どちらの魔女を選んだって 魔界は闇をまとっていたに違いない
どちらにしたって 魔界は幸せになっていたに違いない
魔界に 英雄なんていない。
英雄なんていらない
君臨する 爵位を持つ悪魔と魔王と魔師
普通の魔師民
みんな 今も笑っているに違いない
みんな 幸せだ
どこかで苦しんでいる人が居ても きっと英雄はそこに居る
英雄は 自分たちひとりひとりの心の中に居る
でも何より——……
——最期、コユイとカイナは消える 同日 同時刻に
二人の勲章は 今に。
魔師全員に知られている
カイナとコユイは 今も 魔師民の 悪魔の 魔王の心に刻まれている