コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔女のフライパン −失った君と記憶−【更新中】 ( No.70 )
- 日時: 2013/12/01 13:00
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)
toムリンカ
セイヤとケイト、そして密かにラナの宿題も終え、あたしたちはヒマヒマ教室で過ごしていた
「ほんっとヒマだね…」
ラナがため息をつく。
(ん…?)
廊下につながるドアのところから 男の子が入ってくる。それも このクラスじゃない
「ラナ、アレみてよ!」
あたしに揺すぶられ、ラナはあたしの指がさす方向を向く
「何もないけど?…」
ラナが 訳が分からないといった表情でつぶやく
「え。」
あたしには 見える
上から目線で あたしたちの方に来る。
「誰っ 寄らないで!」
あたしが その男の子を跳ね返そうとすると
「ムリン!」
ラナに止められる。
教室中の全員があたしを見ている
「ムリン やっぱり熱があるんだよ 早く保健室へ行きましょ」
ラナに引きずられそうになるところに 男の子がウインクして
「心配はいらない」
と言った
「お、おまえ誰だ!!」
セイヤがいち早く 前に出て言った
「あなたは わたくしたちの元にさっき出てきた男子ですわね。校長室に行ったのではなかったのですか?」
コトノが気付いたように言う
「あーっ!」
他の児童も あっとなったように言う
「落ち着いて話を聞いてほしい」
ラナも、びっくりしたように よろよろと床に座り込む。
「さきほどは びっくりさせてすまなかった。何も、ボクが姿を ムリンカにだけ見せていただけだから 気にすることはない」
と ふっと笑う
(なんだコイツ 笑えるのか…)
あたしが 嫌悪を覚えた時
「ムリンカには嫌われたくないな。コレットなら、別にいいけど」
と 笑った瞬間 あたしとラナは顔を見合わせ ほかの児童も ?を浮かべる
「そもそもおまえは何者なんだよ!」
セイヤがまた 突きつけるように迫る
「セイヤ!」
と ケイトが連れ戻す
そこで 冷笑を浮かべて そいつは言った
「ボク…?———セイヤ とでも名乗っておこうか。」
「えっ…?」
まわりから ざわざわと 驚きの声が浮かぶ。
「くっ・・俺の名前をマネしあがって!」
と顔を真っ赤にして セイヤが 飛びかかろうとするのを
「セイヤ、黙れ馬鹿かおまえは」
とケイトが毎回 引き留める事態
「…本当の名前は?」
ラナが 言うと
「ふうん、この学校にも そんな可愛い子が居るなんて・・。」
と ラナの顎を触った後 皆の方を振り向いていった
「ま、ムリンカには劣るけどね」
「ボクに本当の名前なんてないんだよ」
と、嘲笑う様に言うと コレットが立ち上がって そいつを見上げた
「おまえは、レン…。でしょう?——……記憶が 無いだけ」
コレットの言葉に 一瞬戸惑ったようなようすをみせた そいつだけど、そいつは
「…コレットは もう記憶が戻っていたのか」
と そいつは言う
「ああ、そうだ。確かに ボクはレン 正真正銘 ムリンカとこ
「やめて 言わないで」
と、レンの口を コレットが塞ぐ。
「なんなんだよ!」
セイヤが 嫌になったように そばにあった欠席者の机をブッ飛ばす
のを、ケイトがとめるが遅し
「…ボクは…ムリンカの
「あたしの?」
あたしは 固唾をのんで その次に言われる言葉を待った
「まだ…まだ 言うのは早い」
最期に コレットが言った
その瞬間に レンは消え、その同タイミングで 放送がかかるチャイムがなった
ぴんぽんぱんぽーん
「全校のみなさんに お伝えします。今日の学校は 中止です。帰りの準備をしたら すぐに各自で帰りましょう」
その声は・・あたしが言おうとしたとき
「この声、レンだぞ!!」
セイヤが カンカンになっていった
「まあ そうカッとならないで 行こうぜ。」
ケイトが セイヤをつまみ出して 廊下へ出ていく
「ムリン、すごい魔力の持ち主みたいね」
ラナが怯えたように言った。
一瞬で レンは放送室に移動したのだから。
「…そう、だね」
なんだか怖くて 怖くてたまらなくなった
「ムリンカ!一緒に帰るぞ〜!」
セイヤが能天気に言った
「四人で帰った方が 心強いね。」
とラナが言った後
「分かった〜!」
とラナが笑顔で返事をして、鞄を持って あたしたちは教室を飛び出した