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Re: 魔女のフライパン −失った君と記憶−【ページよ増えろ↑↑笑】 ( No.71 )
日時: 2013/12/01 15:34
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

第十三話 【瞳】

toムリンカ

(…コレットの記憶は もう…回復していた?)
コレットの口ぶりからして レンという者をコレットは知っているに違いない。
そして 「レン」という者も あたしと関連してるんじゃない・・のかな。って思う。

いくら考えても 本当のコトがわからない限り 記憶の域を出ない

(あたしの記憶は…ううん、あたしの記憶だけ 回復してない)

「ムリンカ、おまえ あいつと知り合いなのか?」
フライパンにまたがって あたしたちは、小学校を出た。
最近、何かと物騒でよくわからないけど…。下校しろ。とレンだったけど言われた上、なんだかんだ 学校に居ても仕方ない

「ううん、全然知らない」
セイヤにそう言われ あたしはほんとの気持ちを告げる。。
4つのフライパンは 曇り空に架け橋を駆けるように あたしたちはふらふらとフラパンを操縦する

「ふ〜ん。なんか、気になるね。」
ラナが、のんびりというと、ケイトが言った

「ムリンカに親しかったのかな?」

今は、分からない
何も、分からない

あたしがうつむくとそれを知ってか知らずか、セイヤが話題を変えてきた

「んで、さっき聞いた話なんだけど」
そういえば、セイヤは靴箱のところで、だれか男の子と話していた

「ああ、そうそう。そいつ。靴箱で話してた。レイトから聞いたんだ」
とセイヤがニッと笑う

「レイトくんから?へえ。」
ラナも笑う

「で、そいつのクラスの人が、放っておかれた。って超カンカンにおこったらしく、クラス全員で 校長室に乗り込んだらしいんだ」
珍しくセイヤが真剣な顔でいい、俺も聞いたんだ。と、ケイトも続ける

「校長室は、おれらA組のヨータ先生と、校長先生が 倒れてたらしいんだ。」

「ええっ!」
あたしとラナの声が重なる

「で、そのクラスのやつらが抱き起して 気絶してるんで、叩き起こしたんだ。そうして、どうしたんですか?って聞いたら、やられた って言われたんで、詳しく話を聞いたんだって」
セイヤの言葉にケイトも頷き ケイトが引き繋ぐ

「男子で、しかもヒカリソウルを使う、5,6年ぐらいの身長だったらしい。でも、うちの学校には、ヒカリソウルを使う 5,6年の男子なんて居ないだろ?」

「そうだよね」
あたしは 気が進まなかったけど頷いた

「で、俺がそのあと レンの話もしたんだ。それで レイトのヤツ、深く考えて 言ったんだ 「レンとかいうヤツが、校長先生とヨータ先生を、やっつけたんだ!そうに違いない。ヒカリソウルを持つくらいなんだし、結構すごいヤツなんだ」って自信満々なんだよ」

と セイヤがあきれ顔で言う

「でも、先生たちも それだけ記憶が鮮明だったんだからさ、レンってヤツもどうってことないんじゃないの?」
あたしが言うと

「殺す まで行くのは 行き過ぎだと思ったんじゃない?」
とラナが言う

「どの道、あいつは俺がブッ飛ばす」
と拳を挙げて

「じゃ、俺らこっちだからさ じゃあな!」
とケイトが 真っ赤になるセイヤを引き連れて、右へと曲がっていった

「二人ともにぎやかで元気になるね」
とラナが笑うので

「でも 結構性格かぶってるよね?」
とあたしも言う

「確かに!それは、環奈さんのせいなんじゃない?」

「そうだよね しかたないんだ。」

Re: 魔女のフライパン −失った君と記憶−【ページよ増えろ↑↑笑】 ( No.72 )
日時: 2013/12/06 14:52
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

toムリンカ

「じゃあねえー!またあとで!」
あたしは ラナと別れて ひとり、平静な住宅街をフライパンで走った。
ふわりふわりと 頬を撫でる風が いつになく 黒く闇に燃え…激しく感じられる

果たしてそれは 気のせいなのか?…それとも

それとも、これは 事の始まり?

だんだん突風っぽくなってきた。魔風台の接近?
フライパンの制限速度だけは守って あたしは、早く家へ着くように、スピードをかけて…

すぐ近くの飛降所から降りて・・しばらく歩き…

あたしは 家のドアを 閉めた

火の温もりが あたし全体を包んだ
——
toコレット

放課後の学校…とは言っても先生は居るが 私とあいつ 二人きり

「おまえ…」
口をついた言葉が つい 男っぽくなってしまう

「…ムリンカには 秘密のほうが良いか?」

「……もちろん」

「冥界にパラドックスする時 おまえは来るのか?」

「…当たり前。」
なぜか わたしだけは 名前では呼んでくれない 私も こいつをお兄ちゃんとか って呼ばない あいつか こいつ だ 名前で呼ぶなんてもってのほか。

「ムリンカと一緒に おまえは送り込めばいいのか?」

「勝手にして」

「……おまえの記憶はいつから戻ったんだ」

「あんたの記憶だって!!いつから戻ったのよ」

「そうだな ボクが 三人の中で 一番記憶が抜け落ちてたね。——でも今は違う、ムリンカだけが 記憶がない」

「……不幸ぶってんじゃないわよ!」

「本当に ボクが不幸だから しかたないと思うよ」

「それじゃあな」
———
toムリンカ

日は 開け、あたしはお城へ行けと 命令だ という手紙を開けた。
お母さんもお父さんも 行方不明になってしまっている
手紙はラナとセイヤと行くようになっていて、ラナとセイヤと共に城へ向かった

城の人数は少なく、立っていた門番にきけば 城のレノンさまと、魔界城の主である、ミホ様と娘さんのルカ様

と、数人の使いだけだという

何にせよ ココの魔界城は、各地にある チビ魔界城で 本当の魔界城はもっと西の方にある。

ミホさまは 「本当の」魔王様のいとこで 血のつながりが結構あるとか。
本当の魔界城の魔王様も、事件に巻き込まれていなければいいが。

「俺らに直々の願いってなんだろな!」
と、セイヤは乗り気だが、ラナはあまり乗り気ではなかった

「ムリンとセイヤくんなら  魔学級も高いし、ともかく…私は6級なんだけど 本当にお留守番じゃなくていいのかな?コレットちゃんとか、コトノちゃんのが成績優秀だよっ!」
ラナがたじろぐのを あたしが言う

「大丈夫だって 成績の問題じゃないよ」
とかばい、セイヤも尻馬に乗ってくれる

「そうだって 行方不明事件でなぜか生き残ってる 俺らみたいなヤツの中で、テキトーな籤引きで決めたメンバーが 俺ら3人だった とかそんなもんだし」

「・・・・・・・」
さらに雰囲気の悪くなる爆弾発言をかますセイヤ

「それによ、ケイトのヤツも、行方不明になっちまったし、みんなして魔界の城でパーティーでも開いてんじゃねーの?順番に、御呼ばれする。とかさあ。」

「・・・・・・・」
この重い雰囲気にやっと気づいたセイヤが頭をかいて

「じゃ、こういう時は警察さんも居ないんで ぶっとばすぞー!!」
と フライパンを飛ばす

「だ、だめよ セイヤくん!ここは もともと通学路なんだから 制限速度は 40まで。そして 10キロオーバーまではして良いことになってるから 50までだよ!!」
ラナが 泣きそうになって言うが あたしはセイヤについていく

「ラナ 大丈夫。本当に誰もいないし。。こういうの気持ちいよ!!セイヤ〜待ってえ!」

「早く来いよ〜」
はるか彼方遠くから セイヤの声が 空に響き渡る

チビ魔界城(正式名 唄星魔界城 6号)に一番近い フライパン飛降所はもうすぐだ。

「ムリン待ってぇー!!わたし ホウキのスピードだけは 超スーパーギガ級に遅いのよ〜」

(え、超スーパーギガ級…って?)

後ろから聞こえる声に 苦笑を浮かべながら あたしたちは フライパンをブッ飛ばした

Re: 魔女のフライパン −失った君と記憶−【ページよ増えろ↑↑笑】 ( No.73 )
日時: 2013/12/06 14:46
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

toムリンカ

はちゃめちゃだけど 何とか お城についたあたしたちだった。

ねえ…?ねえ…? あたしたち 今から何を命令されると思う?

でも あたしたちはまだ 初段にも満たない 小学生魔師
やっぱりセイヤが言ったみたいな、テキトーな命令事なのかな。

あたしたちが 三人そろってレットカーペットを歩く

一礼して 魔王様の前に膝まずく

「…こんにちは。皆の者 顔を上げて良いわよ」
にっこり笑顔のミホ様は見るのは久しぶり

(むーりーんっ!!怖いよ〜ミホ様の笑顔が怖い〜)
という ラナのアホらしいテレパシーを無視する

「今回は あなたたちに直々のお願いごめんなさいね。 急な話だから、いきなりで 困るかもしれないんだけど。」
と 遠慮がちで言った

ミホさまがこんなに 戸惑っているのを見るのは初めてだ。

「冥界へ行ってほしいの」


『ええええ—————————っ!!」
城中に あたしたち3人の どよめく声が聞こえただろうなあ。
そう思うと超恥ずかしいんですけど。

「行方不明になっている人たちは、悪魔によって 冥界に置かれている、魔術封牢屋に入れられているに違いないの」

「どうして牢屋なんかに…」
思わずあたしが言うと

「悪魔が冥界に目を付けたみたいなの。魔法でも開かない。そんな冥界の牢屋があるらしいわ。本当か はわからないけれど このままでは近いうちに、魔界の住民が消えてしまう」
ミホ様は うつむいた

「魔法でも開かない牢屋…ですか。」
ラナが言うと ミホ様がうなずいた

「ええ、でも、この合鍵と あなたたちの正義や優しさ、優等な力さえあれば、きっと開くわ」

(…正義とか優しさとかでどうにかなる問題じゃないと思うんですが)
と、バカ正直に言えるわけもなく・・

「でも世界には驚くべきことが たくさんあるわね。人間界で言うと、他にも フライパンもないのに飛べる 大きな物体や、フライパンを調理道具としてあしらう国 魔法もないのに 電気で動くという洗濯機。いろいろみたいなの。 で 本題は、その魔術封牢屋に入れられている魔師たち。 脱出させないといけないわね。」

『はい!』
3人は 自信満々にうなずいた

「レノン 来てちょうだい。ルカも。レノン わたくしの代わりに この者たちに話をしてちょうだい。疲れてしまったので」
と ミホは ルカと共に 部屋へ戻ってしまった

(なんだよ。こういうキリの悪いところで)
と、またまたバカ正直に言えるわけもなく…

そこへレノンが歩いてきて

「こっちへ来い」
と 言われ、ある魔界城の一部屋に入れられる。

映画館みたいに 大きなモニターが付いていて沢山の椅子がある

あたしたちの様子にレノンがちょっとはにかみ笑いを浮かべて

「ここは、城の兵たちの相談場所としても使われるんだ」
と言い、

「そこに座っていい。席は何処でもいいぞ あそこじゃ 気が落ち着かないだろう。魔王様もソレはお考えだ」
それはたしかなことだ。緊張してしまう ミホ様も考えていてくれたんだと考えると嬉しくなる

レノンは気を聞かせて オレンジジュースを出してくれた
冷たい飲み物を飲むと なんだか気がラクになった気がする

「それでは 本当に本題へ入ろう。 今魔界中で行方不明と問われた者たちは莫大な人数となっている しかも 悪魔たちによって意識不明にされている

そして君たちは、悪魔たちが冥界において作った牢屋のなかの5つの牢屋の鍵を解除してほしい」

「その5つ とは、国立唄星ホシクズ小学校、県立雪夢スズカケ小学校、私立聖七ルルモリ小学校、市立藍之アイダン小学校学区の者の行方不明者が閉じ込められてしまった牢屋だ。
つまり この、唄星魔界城6号あたりの牢屋だ」
そう 魔界は 国立、県立、私立、市立が集まって やっと 市ができる。あたしたちは 魔界の唄星市に住んでいるんだ。

「ちなみに、城の方で 合鍵はできている。その鍵で 冥界にある牢屋を、魔法陣や 正義感、優しさ、悠久の力で開け、君たちの友達、家族、そしてほかの人の運命まで救ってくれ。」
(だから 正義感とか そういうのでどうにかなる問題じゃないんだっつーの)

「皆の者も、いくら意識不明 とはいえ、窮屈な牢屋で 何日も居候させるわけには行かない上、このままでは命が危ない こちらのミスで 悪魔の作戦に 気づかなかったのが現状なんだ」

(そっか。家族も友達も救わなきゃ)

「そして 国立小学校からは 3名、その命令に従うことになり、県立と私立と市立は、5,6年生の中で籤引きをし、ひとりずつ この命令に従う者が来るそうだ」

「あの…」
セイヤがためらいがちに手を挙げる

「どうしたの?」
レノンが言う

「どうして 中高生や 大人じゃなく 俺らに…?」

「ああ、それは みんな疑問に抱くことだと思うんだけどねえ。それが、もう大人や、中高生の隊員は出ているんだ。だけど その通知結果は、届いていないんだ。 たぶん 牢屋に捕まってしまったのだろう。このまま 大人と中高生を流出し続けたら 魔界がどうなると思う?それは困るんで 小学生に1回頼ることにしたんだ」

「あまりに できすぎた内容じゃありませんか?それに、牢屋の鍵を開けたところで、意識のないたくさんの魔師たちを あたしたちは全員は連れていけません。如何するんですか?」
あたし、真剣な顔で言う

「さすがは頭のまわる——……。確かにできすぎてる内容だと思うかもしれないが。本当の話なんですよ。あと 牢屋の鍵を開けたら、この付属用の「鍵っぽいけど鍵じゃない!驚くほど大きなものを入れても縮む!重量1000キロまでの重さを耐えきります!袋!」っていう魔界製の鍵っぽい小さな 袋に入れた後
「重さ全然感じません!」っていう鞄の中に入れて持ち歩くんだ。」

「は、はあ…。で、一緒に行くメンバーの名前を教えて頂きたいです」
ラナが、言った

「じゃあ言うぞ」

魔界国立唄星ホシクズ小学校部

・ムリンカ 小学五年生 4級
・セイヤ  小学五年生 4級
・ラナ   小学五年生 5級

魔界県立夢雪スズカケ小学校部

・キーチ  小学六年生 1級

魔界私立聖七ルルモリ小学校部

・ナナキ  小学五年生 9級

魔界私立藍之アイダン小学校部

・揺川咲乃 小学五年生 初段


「キーチじゃん!」
あたしが思わず叫ぶ

「キーチ?誰だあ?」
セイヤは首をかしげるが、ラナはとっても嬉しそうに飛び上がる

「しかも アイダンの子は 確かあたしが拾った 生徒手帳の子…」
それはみんなには通じない が、人間界名なコトは確かで

「あ、咲乃さんは、魔界名を今日に新しく作られるそうなので」
とレノンが言う

「あのー!手違いです!わたし、6級です!」
ラナが叫ぶが

「だが、学校から通知が来ている ラナは1級上げろ。と、なので これから儀式をさせて頂く」
とレノンが涼しい顔で笑う

「やったー!!」
これで ステッキとボウシと生徒手帳のカバーなんかを新しくしてもらえるのだ。