コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 照れくさいのです。 ※実話 ( No.1 )
- 日時: 2013/11/20 20:40
- 名前: Alice (ID: 4TjuuFmy)
MainCast(全て仮名)
黛 咲良(マユズミ サクラ) 16歳 高校二年生
天堀 将太(アマホリ ショウタ) 16歳 高校二年生
原田 栞(ハラダ シオリ) 16歳 高校二年生
櫻井 拓海(サクライ タクミ) 16歳 高校二年生
Episode*one 〜黛 咲良Side〜
高校二年生 夏。
辺りを見渡せば、下敷きなどで涼んでいる半袖姿の男女が居た。
「タクのメールがうざい」
私の朝は、いつも栞のこの言葉で始まっているようなものだった。
私は黛 咲良。彼氏居ない歴16年です。
栞とは、私の大の親友、原田 栞。
同じクラスの櫻井 拓海君と交際中の栞は、
最近何かしらと拓海君への不満を私に言うようになった。
栞は暗い目をしながらスマホを手早く弄り、メールの内容を次々にスライドさせ、
私に勢い良く見せた。
それを見た私は思わず苦笑い。
理由は2つある。
・一分ごとにメールが来ている。
・絵文字がやたらと多い。
私は苦笑いしたまま沈黙。
すると栞は真顔で何かを唱え始めた。
「7月8日、今日デート楽しかったね(はぁと✕2)俺はやっぱ栞しか愛せない♪
7月8日、ねえ、もしかして風呂?見たいな←
7月10日、課題プリントどっかいった(T T)栞たん助けて。
7月13日、カラオケなう↑↑ 栞の歌声聴きたいからまた今度行こぜ。
鬱陶しいと思わない?」
栞は深い溜息をついた。
確かに鬱陶しいな。それは流石に耐えられない。
と思いつつ、フォローを考える。
「あれだよ、多分さ、拓海君はさ、栞が大好き過ぎて仕方ないんだよ!」
「タクへの微妙なフォロー要らないよ。」
嘘はあっさり見抜かされた。
私は顔を歪ませた。
栞が大好き過ぎて仕方ないのは本当の事だと思うんだけどな。
階段を上がりながら運動場を見る。
ソフトボールの朝練の様子が見えた。
「アイツ」を見つけて、思わず反対方向を見る。
栞がジトっとした目で私を見つめている。
汗が溜まり体が熱くなる。
「み、見てないから!!」
私は力の限り手を左右に振る。
栞はニヤッと笑った。
「告れよ、バカ」
「無理ね、うん。」
私はニッコリ笑う。
栞はまた怖い目に戻った。
「だって好きなんでしょ?天堀の事。
てか顔真っ赤だけど大丈夫?」
図星過ぎて何も言えなかった。
天堀とは、同じクラスの隣の席の天堀 将太という男子。
幼馴染ではないけど、高校生から仲良くなった。
私の学校は学期ごとに席を替えるから、あっという間に栞に見透かされてしまっていた。
カキーンと音がした。
私はチラッと運動場を見る。
2塁まで走っていく天堀が居た。
「おおー、どうやら天堀くんが打ったようですなー。
カッコイイと思う?咲良はん」
栞はゲス顔で私に訊いてきた。
「か、格好良くない!!!」
声を荒らげる。栞は呆れたように鼻で笑った。
野球部のくせに背デカイ。
大して格好良くない筈なのに、何故か格好良く見えてしまうんだよなぁ。
一年生からずっと弄ばれてきただけなのに。
いつの間にか教室に着いていた。
栞は拓海君を弄っている。ドSとドMコンビだ。
私の席は窓側の一番後ろの端。
ちょっとボーッとしてても先生にはバレないから、よく友達に羨ましがられる。
HRまであと5分。もう少しで隣の席が埋まる。
隣の将太の席を見る。
「好き」。
考えただけで顔が熱くなる。
今日も将太と話せるのか...
何だか照れくさいな。