コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 照れくさいのです。 ※実話 ( No.23 )
- 日時: 2013/12/25 18:41
- 名前: Alice (ID: EjFgzOZO)
Episode*three 後編
隣の席に天堀が友達と笑いながら座った。
相手と会話が終わったかと思うと、私を見た。
「はよー。」
「お...はよ」
いつもと変わらない挨拶。
私は天堀の鞄にある物が着いていたのに気づく。
「え、これ何?」
真っ白な円に顔文字が描かれているキーホルダーを触る。
指に少し力を入れると、グニャっと変形する。
「あぁ、それ?昨日ゲーセンで取った」
とても可愛い顔文字だったため、私は興味津々に色んな角度からキーホルダーを凝視した。
「可愛い」
そう言ってキーホルダーを離す。
天堀は、キーホルダーをじっと見つめる私を見て、キーホルダーに手をかけた。
「...要る?」
キーホルダーに手をかけた数秒後、キーホルダーを手に持って私に差し出した。
「え、いいよ。
せっかく天堀が取ったんだから」
天堀はキーホルダーを私の机に置いた。
「だって明らかに欲しそうな目してんだもん。
良いから受け取って」
バレていたか。
凄く可愛かったからついそんな目になっていたらしい。
私はキーホルダーを手に取って、鞄に付けた。
「さんきゅー」
私は天堀に真顔で言った。
すると天堀は座って鞄を探り出した。
何かを見つけたようで、掴んだ自分の手を鞄の底から引っ張り出した。
「じゃーついでにこれもやるわ
弟が部屋片付けて要らないからって押し付けられたやつ」
天堀の手にはしかめっ面のヒヨコのストラップ。
ヒヨコの顔はシワだらけ。随分とご立腹らしい。
「それってただの不要品だよね」
「うん、そう」
天堀は即答。私は要らないものを押し付けられたのか。
「このヒヨコ怒ってるんだけど」
すると天堀はケラケラと笑った。
「いいじゃん。怒ってる割には可愛いし」
確かにそうだけども。
何て言うか、怒ってる顔が寧ろ良いって感じがする。
ヒヨコも鞄に付ける。
「うん、黛の鞄が華やかになったわ」
今まで何も付けていない可愛げのない鞄だったからだろうか。
よし、家宝にしよう←
—放課後
栞と駄弁り帰っていた。
鋭い栞は私の鞄の変化に気づいた。
「ちょっとサクちゃん何これ」
私の鞄のキーホルダーに触った。
そっぽを向いた私に栞は言う。
「はっはーん、天ちゃんからのプレゼントかえ?」
「プレゼントっていうわけじゃないよ、うん!」
栞はキーホルダーをベタベタと触りまくった。
「ほうほう。これが天ちゃんの趣味というものか。
...悪趣味」
栞は私の気持ちなど知らず天堀の優しさを簡単に侮辱してしまった。
「ゲーセンで取ったのと弟に貰ったやつだから天堀のセンスを巻き込まないであげて」
すると栞はキーホルダーをパッと離した。
「その弟に貰ったやつってただの不要品なんじゃないの?
うちの颯(栞の弟 10歳)も要らないもの押し付けてくるんだよね」
す、鋭すぎる。
朝の私と天堀の会話を聞いていたのではないかと疑ってしまう。
「ず、図星。
でも好きな人から貰ったっていう初体験をしたんだよ。
ちょっとは喜ばせてよ」
「はいはい。ま、どうせ付き合う事になるんだろうし...
Wデートは強制参加だかんね。
じゃ、バイバイ」
栞は曲がり角を曲がって行った。
付き合う...付き合う...?
何処に...とかそう言うのじゃないよね。
やっぱ男女交際?
全然考えてなかった。
まぁ仮に付き合う事になったとしても結構先だと思うし、良いか。