コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 照れくさいのです。 ※実話 【栞のイラスト頂きました】 ( No.31 )
- 日時: 2013/12/30 21:23
- 名前: Alice (ID: .KVwyjA1)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
*Episode*four 〜黛 咲良side〜
うっすらと意識を取り戻した。
時計の針は午後6時を指していた。
...どうやら夢の中だったらしい。
スマホを手に取り、『power』と書かれたボタンを押す。
映し出された画面には、『メール1件 着信15件』と驚きの数字を出していた。
正体はすべて栞。最後の着信は午後5時10分。
いつから寝ていたのか自分でも分からない。
慣れないスマホを弄り、栞に着信を入れる。
『あぁぁぁやっと出やがったこの糞野郎ぉぉぉぉぉ』
栞の声は酷く裏返っている。
今回は何のお知らせだろうか。
「なぁに、どしたの」
『タクにね!明後日の日曜日のお祭りに誘われたの!!!
集団で!!他に梓と櫻井と和ちゃんと天堀が来るから来て!!いや、来い!!
夜の5時から向かうんだけど、私と梓と咲良だけで昼から遊ぶから咲良は1時にうち来い』
強制参加らしく。
櫻井と言うのは、拓海君と同じ苗字の櫻井 健斗(Kento Sakurai)。
天堀の野球部の後輩で、高校一年生。
特に仲良くもなかったが、少し面識はあった。
和ちゃんと言うのは、白石 和哉(Kazuya Shiraishi)。
拓海君のバスケ部の後輩で、高校一年生。
日曜日で初対面である。
「分かったからとりあえず落ち着けよ...」
『健斗は梓のこと好きだかんね!!邪魔せず天堀とイチャイチャしてね!』
返事をする前に『プツッ』と音が鳴る。
健斗君って梓のことが好きだったんだ。
一度拓海君にフラれてる梓の気持ちによりますね。
私はペンを持ちカレンダーに寄る。
3日の日曜日は空欄だった。
『13:00〜 栞の家』
そう書いた瞬間、何故か口角が上に上がった。
何一人で笑ってんだろ。
下の階で母の声が聞こえ、頬を強く叩き、部屋の灯りを消して、1階へ向かった。
— 日曜日
「栞の家行って来るね、あとお祭りも行ってくるから、帰りは22時頃になる筈」
そう母に言うと、母はニッコリ笑った。
「いってらっしゃい、気を付けてよ」
ガチャ、と音が鳴るドア。
ドアを開けて右側を見ると、梓が扉から出てきた。
「あーっ、さくー」
梓の表情はパッと明るくなった。
と思いきや、速やかに私の家の門を開けて私の目前に来た。
「天堀君が居ますな?おおお?はぐれて二人きりを狙ってはいません?」
梓はニヤニヤして、私の口の前にマイクを持っているような手を見せた。
二人きりなんて狙おうと思った事もないわ。
黙ったまま、ジトッとした目で梓を直視する。
「そんな事しまへんわ」光線を目から出す。
すると梓は私が返事をする前に両手を頬に当てた。
「キャー、ハレンチー」
光線は伝わってくれなかった。
しかも凄く棒読み。
ところで健斗君が梓を好きって事、今言っちゃっていいのかな。
やはり本人から直接伝えたほうが良いか。
「そういうの狙ってない。私が一方的に好きなだけだもん。
ささ、いこいこ」
梓の向きを回転させ、背中を押して歩く。
— 栞宅
「はぁーいようこそいらっしゃいました」
栞はわざとらしい且つ棒読みで私と梓を出迎えた。
栞の部屋は白が目立つ綺麗な部屋だった。
「ここに拓海何回きたの?」
梓の直球な質問に、お茶を飲んでいた私と栞は喉を詰まらせた。
その光景を見て、梓は苦笑いした。
「ま、まだ呼ぶわけないでしょーが...」
栞は梓の頭を勢い良く叩いた。
今のは痛そう。
「まだって事は〜...、いずれ呼ぶんだ」
便乗して私が言うと、頭に激痛が走った。
目の前には赤面した栞。
どうやら図星らしい。おお、栞ったら大胆。
「このリア充が」
梓は栞と何故か私を見ていた。
「ちょっ!何で私を!?」
梓は凄くニヤニヤしている。
それに便乗したように栞も不気味に笑っていた。
何か... 祭り、不安。