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Re: 照れくさいのです。 ※実話 ( No.4 )
日時: 2013/11/30 20:28
名前: Alice (ID: 4TjuuFmy)

Episode*one 後編

天堀とその他野球部たちが笑いながら教室に入ってきた。
私はあえて本を読んでいるフリをする。
真正面から「おはよう」が未だに言えない。
天堀から挨拶してこないと挨拶できないのである。

「はよ。」

いつも通り普通の挨拶される。

「お、はよ」

私は低い声でつぶやくように言った。
顔を見て「おはよう」が何故か無理なのだ。

「あ、黛、今日も髪の毛くるんくるん」

天堀は私の髪を指さした。
私の髪質は生まれつき癖毛。お陰でいつもくるんくるん。
雨の日は湿気で髪が広がって大変だから、正直困ってる。

「ほんと、黛が動物だったら羊にしか見えねー」
「ひ、羊ですか」

喜んでいいのか分からなかった。というか褒め言葉なのか?
気がつけば、教卓に学級委員長が立っていた。

「えー今から文化祭の出し物決めるんでー、
 静粛にー」

かなり適当な口調だった。
文化祭か。去年は確か喫茶店だったっけ。
でも私は殆ど店番せずに栞と走り回ってたんだっけ...

「劇やろー」
「俺揚餃子食いたいから中庭で揚餃子店やろーぜ」
「もー劇かダンスで良いんじゃね」
「ロミジュリやるか?」

劇公演へ話が進行してますが。
劇は絶対に嫌だ。個人的に嫌だ。
私は思わず声を上げた。

「お、お化け屋敷やりたい!!」

教室はシーンとなった。
そして2秒後、またザワザワとし出した。

「俺は劇でいいと思う」
「俺も」
「お化け屋敷、準備めんどくせーし。
 劇なら演劇部の衣装借りたら何とかなるし劇でいいだろ」

見事に無効果だった。

「んじゃ劇で決まり。
 役割分担しまーす。
 ちなみにー、衣装は自分らで作るから」

劇か...、私は裏方に行こう。
私は大根役者なので演技はできませんっと。
ため息をついて、机に這いつくばる。
文化祭は楽しいけど、役割決めが一番憂鬱。
準備は何となく楽しいし、当日は勿論楽しい。

ふと栞の方を見ると、死んだような目で或紙切れを私に見せた。
赤い字で「当たり☆」と書いてあった。
栞は見事に主役の座を取ったのだ。

くじが私に回ってきた。
どうか裏方でありますように。どうか大道具か衣装でありますように。
箱に手を突っ込む。
出てきた紙。開くとそこには黒い字で「カメラ」と書いてあった。

「え、カメラ?」

カメラなんて仕事、聞いたことない。

「スポットライトとカメラよろしくー。
 基本的にスポットライトの配置だと思うよ」

『だと思うよ』?
まぁでも裏方ということは確かですよね。やった。

「黛、何だった?」

天堀は超笑顔で私に訊く。
やりたい役割にあたったのかな。

「これ見て。俺めっちゃ楽な仕事!!」

天堀が見せた紙には「カメラ」と書かれてあった。
え、マジで。
私が紙を見せる。

「おー、カメラってめっちゃ楽らしいよ。」
「そ、そーなの」

楽で天堀と一緒の仕事か...
また顔熱くなるってば。
栞を見るとニヤニヤしていた。
栞がニヤニヤしていた理由は、休み時間に初めて明らかになる。