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- Re: 【コメ募集】照れくさいのです。 ※実話 【参照多数*感謝*】 ( No.7 )
- 日時: 2013/12/03 18:16
- 名前: Alice (ID: .7kGAeeY)
Episode*two 〜原田 栞side〜
私は赤色で「当たり☆」と書かれた紙を見る。
当たり☆って事は私、ヒロインのジュリエットなんだよね。
そう思うと、何だか文化祭が憂鬱になってきた。
ガヤガヤとうるさい教室の中で、誰にも聞こえないようにため息をついた。
「ロミオ役、誰ー」
学級委員長が大きな声で言う。
そういえば全く気にしてなかった。
「うぃーーす」
後ろの方で、「当たり☆」と書かれた紙をヒラヒラ揺らしている男子がいた。
...嘘でしょ、夢でしょ。夢だと言って誰か。
それは藤本蒼(Aoi Fujimoto)がヒラヒラ揺らしていたから。
藤本がブサメンだからではない。寧ろモテている。
そんな奴とラブシーンをするなんて。女子が怖い。
そんな事より、私は咲良に早く「天堀と二人で仕事する事になる」という事を伝えたかった。
休み時間。
チャイムが鳴ったあと、私は咲良の机に行こうとした。
だが私の目に映った光景を見て、行くのをやめた。
天堀と楽しそうに喋っているではないか。
私もKYではない。親友のチャンスには首を突っ込まない方が良いでしょう、確実に。
席に戻ると、タクが座っていた。
私はハッとする。藤本とラブシーンなんてしたら、
女子だけではなくコイツ(タク)が怖いじゃないか。
「どいて。」
私は突っ立ってタクに真顔で言った。
「嫌だ。」
タクは机までも占領した。
「俺が独占欲深いことくらい知ってるよな?」
タクは真剣な表情で私を見ながら言った。
タクが独占欲深い事は既に知っていた。
タクもモテるくせに、私が告白されていたら超怒ってきたし。
「知ってるからさ、どいて。」
「俺めっちゃ蒼に頼んだんだよ!?
ロミオ役代わってって土下座したんだよ!?
栞とラブシーン(はぁと)したかったのに、代わってくれない」
タクは必殺技の嘘泣きを繰り出した。
「ラブシーンとかただの演技じゃん。
私もヒロインなんて嫌に決まってるじゃん。」
私が鼻で笑いながら言うと、タクはまた真剣な表情で私を見ながら言った。
「演技でも俺が気に食わねーの。
練習って放課後なんでしょ?
俺バスケだよーーーーー」
タクはまた必殺技の嘘泣きを繰り出した。
正直言って本当に鬱陶しい。
第一ラブシーンがあるかも分からないのに。
一途っていうものにも種類がある。
「私大根役者だから棒読みで愛情こもってない演技するからさ」
私がタクに言うと、タクは突然跳ね起きた。
「んじゃ条件付き。俺に愛の告白をしてくらさい」
「は?」
「俺ばっか攻めてさー、栞から『好き』なんて聞いたことないんだけど?」
私は時計を見る。あと数秒でチャイムが鳴る所だった。
「もーいいよ。私休むから。一日目休んで二日目来るから。」
そう言った瞬間にチャイムが鳴った。
私はタクに体当りして無理矢理退かせた。
文化祭&準備 憂鬱。