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Re: 神様、ちゃんと世界を創ってください ( No.1 )
日時: 2014/03/27 12:31
名前: みゅみぃ (ID: vWi0Ksv5)

 ♯1 ぐだぐだすぎる冒険の始まり 

「ここ、は?」
 てっきり、目が覚めたら病院だとばかり思っていたが、どう考えてもこの天井は病院じゃない。
 絹のような素材のベッドにカラフルなワンピースなどが入った細かい装飾の入ったクローゼット。見たことも無いような青色の花がベッドの傍らに置いてあった。
 病院に詳しい訳ではないが、ここが病院な訳がない、ということだけは分かる。
 ……じゃ、ここどこだ。

 あたしはとりあえず、寝ていたベッドから起きることにした。
 しばらくぼーっと周りを眺めていると、がちゃ、とベッドの正面にあるドアが開いた。 
 「———ッ!? シャルアッ、シャルアが起きたわ!!」
 そこから現れたのは、染めてるとかそんな次元じゃないほどにすごいピンク色の髪で、青色の瞳の、大人っぽい少女だった。
 シャルア? 誰だそのいかにも『良家のお嬢様』みたいな名前の人。
 ……『起きたわ』?

 …………まさか、とは思うけど、もしかしてその『シャルア』って、あたしのことだろうか?
 それにどんな人種でもこんな純粋なピンク色の髪の人はいないだろう。ということは、ここはファンタジーな世界——、

 ……駄目だ、あの事故でどっか頭を打ったかもしれない。

 「シャルアッ、わたくし、ずっと、ずっと……っ」
 そのファンタジー世界の住人(仮)が抱きついてきた。

 ……やばい、本当に頭を打ったかもしれない。

 「えーっと、どちらさま、ですか?」
 そう言うと、彼女はあからさまに傷付いた様な表情をした。
 「ひ、酷いわ お姉様のことを忘れるなんてっ!」

 頭が痛くなってきた。

 「……あ、もしかして、記憶喪失かしら」
 いや、あたしあなたと初対面ですよね?
 でもそれを言ったところで面倒になるだけだから、言わないことにした。
 「じゃあ全部話すわ。まずね、あなたとわたくしは、姉妹よ。
 えーと、両親はいないのよ。理由は……まぁいいわ」
 そこ、まぁいいわ、で済ませちゃいけない気がする。

 「で、あなたは16歳」
 年齢は元居た世界と一緒だった。

 「そ・れ・で・ね。まず、この世界には、モンスターがいるのよ!!
でね、15を超えた男女は、そのモンスターを倒して強くなって、勇者を目指すのよ!」

 ……なんて安易な発想だろう。
 『神様』がもしいるとしたら、言ってやりたい事がある。
 ……あんた、手抜きしすぎじゃないか……?

 「で、その倒し方って?」
 「え?そりゃ、魔法と武器で戦って……」
 はい、来ました魔法。
 これじゃあ普通に売ってるRPGの方が全然面白い。

 「魔法って、どうやって使うんですか?」
 どーせ呪文の詠唱だろうが。
 「魔力さえあれば、頭で念じるだけよ」
 やっぱり手抜きしすぎだった。何でもありじゃんそれ。
 
 「でもね、魔力を持ってる人ってとっても少ないから、ほとんどが武器頼みね。————そうだ、あなたに我が家代々の武器をわたすわ」
 そう言って持って来たのは、楽器のようなものだった。