コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 今、あなたに声が届いたら。 ( No.5 )
日時: 2014/01/19 10:05
名前: 結羽凛 ◆zaJDvpDzf6 (ID: aW5Ed34M)

こんばんは!

結羽凛です。

美術の作品の提出期限が明日なのにまだ仕上がってない、
バカな結羽凛です…((

では、1話!
…読んでくださっている方、いるんでしょうか…?
いますように…

あと、気づいてる方、いるかと思いますが、
本編と副題はあんまり関係ないときアリです。
あと、完璧に副題はカッコつけです。
すみません!

***1話***
『暑い夏の日、空をあおいで』

夏真っ盛り、じとつく暑さの8月。
一人の女性が、住宅街から出てきた。
彼女白いバッグと花束を手に持っている。

「うわ、今年もあっついなぁ。」

彼女は眩しい夏の日差しに愚痴を溢し、
踵を踏んだままのスニーカーを履き直してから、
目を細めて上を向いた。

辺りにはセミの鳴き声が
止むことを知らずに鳴り響いている。
一通り服を整えると彼女はまた、歩き始めた。

彼女の名前は、唯木紫愛。
20歳、とある県、某国立大学2年生である。

紫愛は前方に見え始めた上り坂にため息をつき、
持っているバッグと花束を握り直して坂を上った。

陽炎が見えるほどに暑くなったアスファルトの上り坂を
上がりきると、だだっ広い芝生の地に、黒い石─お墓、が
列になって並ぶ様子が見てとれた。

ここは仙舩ひさふ霊園。数多の人々が眠る、墓地だ。
紫愛は辺りを見回す。
そして一人で軽くうなずき、

「やっぱり、命日の次の日となっちゃあ、
 家族の人はいないよねえ…」

と呟いた。
そして近くに見える水汲み場 に行き、柄杓とバケツを手に取る。
水道の蛇口をひねってバケツに水を出す。

ドボボボボ…

しばらくその音を聴きながら、
バケツに水が入っていくようすを紫愛は眺める。

「こんくらいかな、っと。」

3分の2ぐらいまで水が入ったことを確認すると、
バケツのなかに柄杓をいれて、「よいしょっ」と
力をいれて持ち上げた。
しかし、バケツは意外と重かった。
紫愛の体はいきなり重さがかかり、とたんにふらつく。

「う、うわわっ!?」

紫愛は足元にあった小石に気づく。
ちょうどそこに足が引っ掛かるような格好になってしまい、
支えを失った紫愛は転ぶことを覚悟した。
ギュッと目を瞑った、その瞬間。

──トサッ

急に体が支えを取り戻す。
転んでないことに驚きながら、怖々と目を開ける。
すると視界が影になり、紫愛は「あれ?」と上を向いた。
そこにいたのは、見慣れた黒髪のショートカットの、かなりの美人──

「爽っ!」

紫愛の大親友、桐羽爽だった。

「よう。ってか、あぶねぇぞ。」

爽は紫愛を立たせながら呆れたように言う。
彼女、桐羽爽とは学校が違うため、会うのはかなり久しぶりだ。

「爽…変わってないね…」

一年近く見ていないのに、爽は髪型はおろか、
服も去年と同じような気がした。

「あったりめぇだろ。私はこのままがいいんだよ。」

相変わらずの男口調で爽は笑う。
たぶん、一人称が「私」じゃなかったら、
女だと分からなさそうだな、と紫愛は思った。

「ほら、バケツ貸せよ。どうせおもてぇんだろ?」

爽は紫愛の手からバケツをとると、「いくぞー、」と言って
墓地の奥へ歩き始めた。

「あ、待ってー!」

紫愛もそれを急いで追いかける。

お墓参りに、行くために。
*******

っということで、1話お届けしました(^^)
感想くださるとうれしいです。

では!

good-bye☆