コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪の組織の一員は正義の味方にスカウトされました ( No.13 )
- 日時: 2013/11/28 17:51
- 名前: 夕陽 (ID: We/irTIH)
五話 あやめ、里奈となずなに昔の事を話す!
「うーんと、どこから話せばいいのかな……」
昔の事を思い出しているようにゆっくりとあやめは話し始めた。
あやめは、幼稚園の頃は普通に悪の組織などには入ってなかった。そんな日常に終止符が打たれたのは小学校に入学してから数日たった頃だった。その出来事は
——お父さんが重要な書類を盗み、会社を首になった。
お母さんがそういった時、あやめはよく分からなくなった。
——あんなに必死に仕事をしていたお父さんが、
どんなに遅くなっても翌日は遅刻をしないで会社にいくお父さんが、
重量な書類を盗んだ……?
そこから私達の生活は全く違うものとなった。
はじめに、お父さんが部屋に閉じこもった。
そして、お母さんはアルバイトを始めた。
それから、私の親戚達は皆私達と縁を切ろうとしてきた。
……最後に、私は学校でその噂が広まりいじめられて不登校になった。
そして数週間たった後、お父さんがついに部屋が出てきた。お母さんが食事を作ってドアの前においてあったのを食べたのか、生きてはいたが、その顔は死人のようにみえる。そして私を見ると
「就職先が決まった」
と、しわがれた声で、でも嬉しそうに言った。私は嬉しくて
「よかったね、お父さん!」
と無邪気に喜んだ。
その日からお父さんは毎日仕事に行っていたが、だんだんおかしい事に気付き始めた。
お父さんはいつも仕事に行って来るというとき必ずドライバーやロープを持っていた。それだけなら、工事関係の仕事だと思っただけかもしれない。しかしある日、お父さんの手でもっている鞄には
——拳銃らしきものが少し、本当に少しだけ、頭を覗かせていた。
急に怖くなって、でももしかしたらおもちゃかもしれないと淡い希望を持って
「お父さん、それなあに?」
と聞いた。お父さんならきっと
「ああ、これかい? これはおもちゃだよ」
と優しく言ってくれるはず。いいや、絶対そういう!
「これはな——」
この後の言葉は私は聞いている事ができなかった——。
お父さんが、やばい仕事についていると思った次の日。ちょうど、土曜日だった。私は休みだが、お父さんは仕事。なのでお父さんのあとをつけていこうと思った。お母さんには
「友達と遊びに行ってくる! 少し帰りが遅くなりそうだけど心配しないでね」
と言ってある。これでもう安心だ。
私は、ちょっと探偵みたいだなと思いながら不安とドキドキが混ざり合ったような感情でお父さんの尾行を開始した。