コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪の組織の一員は正義の味方にスカウトされました ( No.22 )
- 日時: 2013/12/11 21:39
- 名前: 夕陽 (ID: S9m9GTYE)
十一話 なずな、あやめに昔の事を話す!2
なずなはあの後両親にどうしたのかと尋ねたがなずなは声も出なかった。ただ、
「なずな、さっき話した事聞いたのか?」
と言う問いに頷くのが精一杯だった。
両親はなずなに、本当のことを話そうか? と訊いたがなずなは横に首を振った。
——今聞いてもきっと余計に混乱するだけだから……。
そんな言葉を胸に秘めて。
心の整理がついたら改めて訊こう、となずなは思い両親と一緒に車に乗って帰った。車にいる間誰一人しゃべる事はなかった。
二週間位した頃、なずなは改めて訊く決意をした。当時小学三年生だった里奈に相談したら、
「今の親が本当だろうが違うだろうか関係ないよっ。なずなはとっても楽しそうに生活できているんだから。それにさ、例え本物の家族じゃなくても今からなればいいんだよっ」
と言ってくれた。里奈らしい考え方だな、と思い緊張がほぐれていく。
ちょうど今日は日曜日。会社も休みだ。思い切って両親の部屋をノックする。母の
「どうぞー」
と言う声に導かれるようにドアを開ける。中にはやっぱり両親がいた。
「あら、なずなおひさしぶり。どうしたの?」
——そして、見知らぬ女の人も。
「あなた、だれですか?」
ゆっくりと、確認するようになずなはたずねた。
「私は山本ナナ。あなたの本当の母親よ」
その人は本当のという言葉を強調して言った。
両親のほうを見ると困った、というような顔をしていた。こんなに早く再会すると思ってなかったのかもしれない。
なずなは元々の母に歩み寄り、
「あなたは誰ですか? 私の母親はあの方だけです」
そう言って自分の今の母親を手で示す。ナナはしばらく呆気に取られていたがすぐに
「確かにあの方は今の母親かもしれない。けれど本来は私の子よ」
と言い放った。
「もしかしたらあなたの子だったかもしれませんが今は違います。そして仮にそうだったとしても私の事一回捨てているんですよ。そんな人に母親を名乗られたくないです」
「そのときはいろいろ大変だったの。でも今はもう大丈夫だから。一緒に帰りましょ? それに——」
そしてナナはいったん区切ると
「あの人たちはあなたを好いているわけではない。あなたを引き取る前になくなった娘さんにあなたの姿を重ねているだけ」
今度はなずなが呆然とする番だった。そんな話聞いたことなかったから。なずなが黙ってしまい静かになったその時、なずなの母親がゆっくりと言った。
「確かに最初はそれが原因でした。でも、今は純粋にこの子と一緒にいることが楽しいです。そんなに、なずなを連れ戻したいならなずなに決めてもらいましょう。いいですよね?」
ナナはしばらく考えた後、
「まあいいでしょう」
と承諾した。そしてなずなに
「なずな、あなたはどっちで暮らしたい?」
と問いかけた。なずなの答えは決まった。
「私は——」