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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪の組織の一員は正義の味方にスカウトされました ( No.23 )
- 日時: 2013/12/12 21:57
- 名前: 夕陽 (ID: Ud11FEct)
十二話 なずな、あやめに昔の事を話す!3
「私は、皆で暮らしたい。今のお父さんとお母さん。そして、私を産んでくれたお母さん。私はあなたがした事を許す気はありませんがゆっくりわかり合いたいとも思うんです。きっと私の今の両親もそう望んでいます」
なずなは気付いたのだ。両親はなずなを渡したくないだけでなく、なずなと本当の母親を仲直りさせたいのだと。そしてお父さんが
「なずなの言うとおりです。一緒に私たちと一緒に暮らしませんか?」
それを引き継ぐようにお母さんが
「そうです。部屋ならたくさんありますし」
と言う。ナナはびっくりしたような顔をした後、
「なずな。あなたはこんなにいい人に育てられたのね……。これなら私がいなくてもよさそう」
そしてなずなの方を向くと
「あなたに会えないのは寂しいからなんかあったらここに来てね」
というと簡単な、でもとても分かりやすい地図をなずなに握らせた。
なずながそれをしっかり握ったのを見るとナナは潔く去っていった。
その目には涙が浮かんでた。
「ということです。私は本来お嬢様ではないのですよ」
「そうなの? 結構意外だった」
なずなは話終えると一息つくようにお茶を飲んだ。
「そういえば、なんか用事ないの? この話をするために来たわけではないでしょ」
あやめがたずねると
「そうです。実は正義の味方夏期講習に来ていただければと思いましてこちらに足を運びました」
きっと“ホワイトクロス”関連だろう。その団体の重役がなずなの両親らしいから。
「ちなみに迎えが2時半にくるので準備してください。まあ動きやすい格好になってくれればいいですが……」
時計を見ると2時10分位。あやめは急いで準備し始めた。
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