コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪の組織の一員は正義の味方にスカウトされました ( No.25 )
- 日時: 2013/12/21 10:28
- 名前: 夕陽 (ID: LoNNmS79)
十四話 あやめ、正義の味方の講習に行く!2
あやめは、自分の名前が書いてある席に着くと、同時に授業が始まった。
講習内容は、正義の味方となるための行動などを一時間聞いていた。
あやめは講習が終わってなずなのところに行こうとした時隣に自分よりも早く席に着いている女の子がいるのに気付いた。しかもなんか困っているような。
よく見ると、探し物をしているようだ。あやめは自分も手伝おうと声をかけた。
「こんにちは。あなた探し物してるの? だったら手伝ってあげる」
その声を聞き、あやめの方に向いた。その子はあやめより少し年下に見え、黒い髪を下の方でツインテールをしている。その子が、
「はい、そうなんです。手伝ってくれると嬉しいです」
「ところで、何探しているの?」
「あ、探しているのはキーホルダーなんです、猫がついている」
それを聞いてあやめは近くを探し始めた。幸い近くに落ちていたのを拾い、彼女に渡す。
「ありがとうございます。さすが、正義の味方の講習に来ている方ですね……」
最初はあやめに向かっていい、最後はつぶやくように言った。あやめは
「まあ、当たり前の事だけど。ところであなたの名前は? ちなみに私は天野あやめ。あやめでいいから」
「あ、私は佐野さくらです。ちなみに中一です……」
そういうとさくらは少し悩んだ後あやめにこう訊いた。
「あの……、あやめはなぜこの講習に来たのですか? あやめならこの講習会に来る必要ないような気がします……。正義の味方っぽいですから……」
「ん、私? 私はね、友達にすすめられたの。本当は悪の組織の一員なのにね」
あやめは、変だよね? というように話したがさくらはびっくりして目を大きくした。そして
「あ、悪の組織……ですか?」
「うん。でそれを今言ってた友達の友達にスカウトされてここにいるってわけ」
「すごいです……。この講習会に面接なしでは入れるなんて……」
「へ? 面接?」
あやめはびっくりしてさくらに問い返した。さくらはさらにびっくりした様子で
「はい、あやめ以外の人は全員面接から来た人です。面接を受けるために遠くから来た人もいましたよ。私もそうです……何とか合格しましたが」
まあ、合格してなければここにはいないのだろうが。もう少し話を聞いてみるとこんな事だった。
なずなの会社のイメージアップの組織、“ホワイトクロス”は結構有名らしい。なぜならなずなの会社の関係者がよく所属するからだ。そして県から表彰もされ知名度はさらに上がった。そしてついにホームページをつくり、その会員に募集をかけたり今回のようにジュニア限定の講習などを行ったりしているらしい。ちなみにこの講習を受けると成績が上がりやすいし高校も受かりやすいと評判だ。そして書類審査や面接で審査し受かったものが講習に参加もしくは会員になれるらしい。そしてもう一つ方法がある。それは会員からの推薦だ。しかしそれは今までは一回もなくあやめが初らしい。
「へぇーよく知ってるね、さくらちゃん。ところでさくらちゃんはなんでここに来たいと思ったの? 面接を受けてまで」
「あ、さくらってよびすてでいいです。私がここに来たいと思ったわけですか……やっぱりあの事が原因ですかね……」
そういってさくらは話し始めた。