コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪の組織の一員は正義の味方にスカウトされました ( No.30 )
- 日時: 2013/12/27 12:50
- 名前: 夕陽 (ID: QJG1DFOg)
十七話 あやめ、皆と修学旅行に行く!
「あやめ〜。今日は晴れだよっ。快晴だよっ」
という里奈の言葉であやめは起こされた。いつもなら文句を言うが、今日は言わない。なぜなら、今日は楽しみにしていた修学旅行の日だからだ。
起きた後はいつもより早く支度をすませ、集合場所に着いたのは集合時間の10分前だった。
「あやめ、今日は無駄に早いね……」
と里奈があきれつつ言った。
「確かに少し早すぎたかもね」
周りにはあやめと同じように少し早い時間に来てしまった人が数人いる。とりあえず残りの時間を里奈と話してつぶし、ついに出発のときになった。
里奈となずなとは違うクラスなので一緒に行動は出来ない。修学旅行は二泊三日でそのうち、初日は学年全体で行動なので会うかもしれないが……。
〜修学旅行・初日〜
午前中はほとんど移動だった。昼食も新幹線の中で食べた。
しかし、午後は学年全体での観光だった。里奈となずなとも合流でき、写真を撮ったり、観光中にもしゃべったりした。
そこで意外な事を聞いた。
どうやら、“ホワイトクロス”の人と“ブラックロード”の人が来ているらしい。しかもあやめのことについて、“ホワイトクロス”の人が譲ってほしいと持ちかけたらしいという事をなずなから聞いた。
会うと面倒な事になりそうだね、と里奈に言われて確かに、とあやめは納得した。
しかし、今のところはそれらしき人に会ってはいない。後はホテルに行くだけなので大丈夫だろう、とあやめは納得してそのまま里奈たちと観光を続けた。
ホテルはそこそこだった。部屋は2人もしくは3人だったが、余った人は違うクラスの人とも一緒の部屋になっていいので余ったあやめは里奈、なずなと一緒の部屋にした。
夕食まで部屋にいて荷物の整理をしてなさいと先生に言われ、あやめは部屋に入った。案の定、そこには里奈となずながいた。
「ねえ、なずな。ちょっと訊きたい事があるんだけど……」
「はい、何でしょう?」
「さっき、2つの組織がここに来ているって言ったよね? でもさ、何でここに来ているの? 別にここに来なくてもいいよね」
「ああ、その事ですか。実は私は昨日、父上にあやめを“ホワイトクロス”に入れたいと言っていたのであやめとあやめが所属する組織の方に訊いて見たらいかがでしょう? と提案したら採用されてしまいました。しかもなるべく早く実行しようと言っていましたので、私は明日は修学旅行があると言ったところではそこに行こうとなったようです」
「なるほど……。全ての原因はなずなかっ!」
「はい、すみません……。なので明日あたりに連行されるかもしれません」
「まあ、もう言っちゃったことは仕方ないよ。とりあえず気をつけておかないと。連行されたくないし」
あやめはため息をつき、そういうと里奈が横から
「じゃあさ、私たちと一緒に行動する? 先生達に頼んでさっ」
「それはいい案だと思うけど、いろいろ問題があると思うよ」
「まあ、確かにそれは少し実行が難しいですね……。とりあえずあやめに気をつけてもらうしか方法はないです」
そんな会議をしているうちに夕食の時間になった。
夕食は豪華とは言いがたいが、決して質素でもないものだった。
夕食の後はお風呂に入ってからベッドに入った。
そんなこんなで修学旅行の初日は過ぎた。