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Re: 悪の組織の一員は正義の味方にスカウトされました ( No.31 )
日時: 2013/12/27 16:00
名前: 夕陽 (ID: QJG1DFOg)

十八話 あやめ、皆と修学旅行に行く!2

〜修学旅行・2日目〜
 2日目は主にクラスで観光だ。
 しかしあやめはあまり気乗りしなかった。なぜなら、あやめはこのクラスに親しい人はいないからだ。
 必要な事はしゃべるが、それ以外は話す友達がいないのである。なのでクラスでの観光は静かに見ていることが主だった。しかし、2つの組織に見つからないように気をつけつつ。
 午前の観光が終わり、昼食中。
 見慣れた人がいたような気がした。気のせいだろう、と思うが気のせいではなかった。
 “ブラックロード”と、“ホワイトロード”の人達だった。
 やがてその人達はあやめに近づいてきた。そしてレイが先生に
「あの、あやめに少し話があるので抜けさせてもらいませんか? 終わり次第合流させるので……」
「あやめさんのお母さんですか?」
「はい、だめでしょうか?」
「それはさすがに無理です」
 そりゃ、そうでしょ。とあやめは思ったが言わずに2人を見ていた。
「では、これをばらしてもいいの?」
 そういってレイはなにかの写真を見せた。そのとたん先生が
「いや、それはだめです。もうあやめさん連れて行っていいですからその事は黙って下さい! お願いします!」
「分かった。絶対他人に言わないから。あやめ、借りていくわね」
 いったい何を見せられたのだろう。あやめは気になったがレイに連行されるがごとく連れてかれたので聞くことが出来なかった。

 連れてかれたのはおんぼろマンションだった。
「ねえ、お母さん。ここ、借りたの?」
「うん、当たり前じゃない! 管理人さんは私の友達だからただで貸してくれたわ」
 きっと、孤児院時代の友達だろう。とりあえず入って、とレイがせかしてくるのであやめは中に入った。
 中は意外ときれいだった。ほこりや、カビがないに等しい部屋だった。きっと、この人達はここに泊まっていたんだろう。
「とりあえず話しは簡単だ。アヤメのことについてだが、アヤメの意見が聞きたい。アヤメ、ここに残るかそれともあっちに移動するか、どっちがいい?」
 ボスが単刀直入に聞いた。あやめは迷ったが、何か答えなくては話が進まないと思いこう答えた。
「私は、まだよく分かってません。どちらの組織も好きです。なので私が中3になってから決めたいです」
「なるほどな。ところでアキヤマ、お前もそれでいいか?」
「本当は今すぐにも入ってほしいんだが……無理に入っても意味がないからな。あやめさんの提案に従います」
「よし決まりだな。アヤメ、すまなかった。こんな事に呼んでしまい。レイ、アヤメを皆のところに合流させろ。俺はもう戻る」
「承知しました」
 とレイがいい、あやめに
「じゃあ、送っていくから車に乗って」
 と車に乗せた。

 皆と合流したあやめは始めは何があったのか聞いてきた人が何人かいたが、なんでもないよと答え続けなんとか普通の状態に戻った。

 ホテルに戻り、里奈となずなにこのことを話すと驚いていたが口々に感想を漏らした。
「あやめ、ご苦労様でしたっ!」
「またまた、父上が迷惑をかけてしまい、すみません」
「でも、これで後は大丈夫だね。3日目は何だっけ?」
「どうやら自由行動のようです。この3人でまわりませんか?」
「うん! それいいかも!」
「私ももちろん賛成だよ」
 3人は寝るまでそのことについて考えていた。

〜修学旅行・3日目〜
 修学旅行3日目は自由行動だ。(もちろん制限はあるが)
 あやめが一番楽しみにしていたのもこの自由行動である。
 ちなみに3人で話し合った結果、はじめに観光、次にお土産を買い、昼食を帰る前に食べる事にした。
 観光は前の2日で行けなかった所を中心に観光した。
 お土産は家族と組織の人たちに買っていくことにした。里奈、なずなもそんな感じだった。
 昼食はここの名物というものを食べた。ちなみにおいしくて、普段こんなものばかり食べているなずなでさえも大絶賛だった。
「もう修学旅行終わりだね」
 とあやめがしみじみといった。それに反応するように
「ほんとだよっ。もう少しいたかったなあ」
 と、里奈。
「私もまた行きたいです」
 と、なずな。
 そこであやめはもう集合時間だということを思い出し、3人で集合場所に走った。
 最後に、皆で記念写真を撮った。
 その中に写っている3人は今までのどんな笑顔よりも輝いて見えた。