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Re: 捨てられロボットとひねくれ修理屋。【第3話更新!】 ( No.12 )
日時: 2013/11/27 17:22
名前: 帝 ◆qZFKl2dobU (ID: 9nuUP99I)

□第5話■

「ふぃー。ついたな」 

赤煉瓦の屋根の家。
私は街の中心部の、高層ビルしか見たことがなかったので、とても新鮮です。
まるでここだけ、時が止まったよう…………

「ま、狭いけどよ、入れ」
「はい」

玄関で靴を脱ぐと、ナギさんは

「ほい、じゃあ修理してやっからよぅ、そこ座れ」

と言って、私を床に座らせました。
そしてナギさんは、沢山の工具を取り出して、私を調べ始めました。

「うーん……外装破損だけか……?……あ…ッ…」

ナギさんは急に頭を抱え込んで、何かを考えはじめました。

「どうかしましたか?」
「…………ふ……


「……ッざけんな!何なんだこれ……欠陥だらけじゃねェか……」
「?」

血圧上昇反応……どうやら、ナギさんは今、「怒り」と呼ばれる感情のようです。

「……す、すいません」
「あ?……お前は悪くねェよ」

私の頭に手を置いて、ナギさんは言いました。
私……ではない……?理解不能です……。

「…………あれ……?お前……ユキ……?」

ナギさんは、私の顔をまじまじと見て、呟きました。

「あの、どうかしましたか」
「……ん、いや、何でもない。……じっとしてろ」

そう言って、私の治療を再開したナギさんの表情は、どこか寂しそうで。

……なんて、ロボットの私に分かるはずもないですが……。