PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 同じ空の下なんだから。 ( No.15 )
- 日時: 2013/12/24 14:32
- 名前: チョコ★ ◆.zuTcWIMPg (ID: as61U3WB)
「うっはぁ——…!! 沙野可愛い…」
「だよなぁ? なんか不思議な感じがするけどそこがつぼだなぁ」
声が聞こえた。
がばっと後ろを振り返ると男子たちがたかって晴香の話をしていた。
「何だよ急に睨んで」
「え?…あぁゴメン。」
言われて気がついた。
——無意識の間に睨んでたんだ。
"沙野晴香"という単語が出てくると何かと気にしてしまう。
目の前が急に真っ暗になった。
「へっ?!」
「だ〜れだ?」
この声は…
「舞凜?!」
〔木下舞凜〕は僕の幼馴染だ。
「あっ!!木下だ!!」
後ろにいた男子たちがまた騒ぎ出した。
「木下も可愛い〜…」
「…どもっ」
舞凜は笑顔で答えると僕を廊下へ引っ張っていった。
「沙野晴香ちゃんの事……
好きなんでしょ…?」
そういった舞凜の声は震えていた。
- Re: 同じ空の下なんだから。 ( No.16 )
- 日時: 2013/12/24 15:06
- 名前: チョコ★ ◆.zuTcWIMPg (ID: as61U3WB)
僕がなんて答えようか迷っている間に舞凜の目には見る見る涙がたまっていく。とうとう、その涙が零れ落ちた。
「舞凜…?」
「分かってるよ。…分かってるんだよ。」
舞凜は震えるか細い声で言った。
心細げな迷子のような声で。
「分かってるけど、待ったんだよ?…ずっとずっと待ったんだよ。
太陽のことずっと待ったんだよ…」
待った?
待ったって何を?
その時僕は思い出した。
…確か僕らが4つか5つぐらいのときだ。
まだショートカットの舞凜が無邪気に笑いながらいった。
「太陽はおっきな目の女の子が好きなんでしょ?」
その時、彼女の思いも知らずに僕は真面目にうなずいた。
「私は太陽が好きだけど、待ってるからね。」
そういわれた。
僕は最低だ。
「舞凜。待たせてすまなかった。でももう少し待ってくれ。
もう少しで答えを出すから。」
「いつまで待たせんのよ」
舞凜は少しおさまった涙をふき取りながら笑った。
でも昔みせた顔のように舞凜は悲しそうだった。
PR